完了しました
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の国内の累計感染者数が4日、空港検疫を含めて1192人に上った。昨年11月30日に初の感染者が確認されて以降、各地で感染が広がっており、自治体や医療機関が警戒を強めている。


読売新聞の集計では、昨年12月30日の段階で、同株の累計感染者は計500人だったが、4日までに30都道府県で1000人を超えた。このうち18都府県で、市中感染とみられる感染者が出ている。
東京都は4日、同株の感染者が新たに8人確認されたと発表した。10~50歳代の男女で、いずれも感染経路は特定できておらず、市中感染とみられる。都内のオミクロン株感染者は累計で55人となった。
小池百合子知事は4日、幹部職員を集めた年頭あいさつで、「新たな脅威を食い止めるべく、培ってきた知見と経験の真価が問われようとしている」と訴えた。
大阪府では同株の感染者が58人確認され、累計145人となった。高齢者施設や府立高校で10~20人規模のクラスター(感染集団)も発生した。沖縄県では47人の同株感染者が確認され、累計135人に。当初は在沖縄米軍基地関係者が中心だったが、現在は基地と関係のない感染例が主流となっており、県は「米軍をきっかけに市中に広がったオミクロン株が年末年始の活動の活発化で一気に広がっている」とみている。
医療現場は重症者の増加を警戒
オミクロン株の感染拡大で、各地の病院は年末年始、患者の受け入れに追われてきた。病床の
感染症の専門医師がいる都内のある病院では、同株感染者用に約40室を準備し、昨年12月中旬から主に羽田空港からの入国後に感染が判明した患者らを受け入れてきた。確定検査待ちの「疑い患者」を含め、入院は12月24日には約10人、28日には約30人と急増した。
オミクロン株は感染力が強く、新型コロナに一度かかった人が再び感染するリスクが指摘されている。この病院では、オミクロン株感染者と、従来のデルタ株感染者が接触しないよう、双方の病室の区画を分けて管理しており、担当者は「病室のやりくりは大変だった」と明かす。
今回、政府が入院方針を見直したことについて、病院側は「医療現場の実情に合った対応だ」と評価している。一方で、感染者が大幅に増えれば、高齢者らリスクを抱えた人が一定の割合で重症化する懸念もある。
厚生労働省の幹部は「全員入院はなくなっても、自宅療養者の容体変化を見逃さず、必要な人がすぐ入院できる体制を維持しなければならない」と話している。