「木琴と同じ仕組み」のスギ歩道、視覚障害者に優しく

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 九州大の樋口明彦准教授(景観学)らのグループがスギ材の歩道の開発に取り組んでいる。視覚障害者が誤って車道に出るのを防ぐ狙いで、 白杖はくじょう でたたいた時にアスファルトの道とは異なる「音」が響くことで、区別できる仕組みだ。木材を利用するため、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとしても注目を集めている。(坂田元司)

スギ材を使った試験歩道(福岡市の九州大伊都キャンパスで)
スギ材を使った試験歩道(福岡市の九州大伊都キャンパスで)

 路面がアスファルトからスギ材に変わると、白杖でたたく音が「カチカチ」からよく響く「トントン」という音になった。

 「要するに、木琴と同じ仕組みなんですよ」

 九州大の伊都キャンパス(福岡市西区)に設置された試験歩道で、樋口准教授がこう説明した。

 歩道は、ペットボトルキャップをリサイクルして作ったプラスチック製の2本の基礎に、細長いスギ板を複数渡してつくる。板の下に空洞ができ、音が響くのが特徴だ。材質が軟らかく、歩いた感触もアスファルトとは異なる。

 樋口准教授は祖母が病気で失明した経験から、2007年に研究をスタート。当初は路面をざらつかせるなどしたが、あまり違いが出なかった。たまたま木製デッキ風の歩道をつくったところ好評で、手に入りやすいスギ材にたどりついた。

 実際、視覚障害者にコンクリートとアスファルト、スギ材の歩道と同じ構造物を白杖でたたいてもらう試験では、101人のうち98人が音の違いを区別できた。試験歩道を歩く実験でも、スギ材だと車道にはみ出さなかった。

 実験に参加した福岡市南区の橋口千寿子さん(71)は1年前、歩道上にとまっていた車をよけた際に方向が分からなくなり、気づかないまま車道に出てしまった経験がある。通行人に「危ない」と引き戻された。

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2658855 0 社会 2022/01/08 19:50:00 2022/01/08 19:50:00 2022/01/08 19:50:00 杉製の試験歩道を歩く樋口准教授(福岡市の九州大伊都キャンパスで)=坂田元司撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220108-OYT1I50067-T.jpg?type=thumbnail

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