古都のお試し移住、客足減少のゲストハウスを活用

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 新型コロナウイルスの感染拡大を機に、奈良市への移住を検討する人が増えている。市によると、2020年度の移住に関する資料請求件数は前年度の約2・8倍に増加。そんな中、市が地元に密着した市内のゲストハウスに滞在して<奈良暮らし>を実体験する「お試し移住」の支援を始め、好評を得ている。(有留貴博)

お試し移住への支援制度の対象となっている「奈良町宿 紀寺の家」(奈良市で)
お試し移住への支援制度の対象となっている「奈良町宿 紀寺の家」(奈良市で)

 市は移住者向けの支援を20年3月から本格的に実施。市秘書広報課によると、19年度の資料請求は84件だったが、20年度は234件に増え、30~50歳代の請求が多いという。また、コロナ禍によるテレワークの拡大などにより、移住への関心が高まったことを背景に、20年6月からは無料のオンライン移住相談窓口を開設。20年度は全国各地から60件の相談が寄せられた。

 そうした中、市は21年11月、ゲストハウスでのお試し移住への支援制度をスタート。移住では、事前の準備が決め手となるため、移住先特有の決まりや、住まいや仕事の情報といったことを知らなければ、ミスマッチという結果になりかねない。他地域では、体験施設を独自に整備したり、賃貸契約の費用の一部を補助したりといった支援があるが、市は市内に多いゲストハウスの活用に着目した。

 市はこれまでにも、移住を検討する人にゲストハウスの利用を勧めたことがあった。ゲストハウスは旧市街に数多くあり、オーナーが周辺を案内したり、相談を受けたり、さらに、周辺住民らとの橋渡し役を担ってくれることも。中には、自身も移住者というオーナーもいて、市は奈良のことを伝えるのはもちろん、移住者の先輩としての役割にも期待を寄せている。

 制度では、2泊以上の場合、利用者1人1泊につき2000円分のクオカードを支給。受け入れるゲストハウス側にも、クオカード1000円分を謝礼として給付する。コロナ禍で客足が減少したゲストハウスの支援も兼ねた形だ。

 昨年11月1日の制度開始後には、初期に用意した延べ150泊分が、わずか1週間で完売した。ならまちにある町家を再生した一棟貸し切り式の「奈良町宿 紀寺の家」で、2週間過ごした東京都江東区のコンサルタント業の男性(56)は、今春の移住を決断。ホテルでの滞在と異なり、「地元に住むオーナーさんだからこそ知り得る情報があり、相談しやすかった」と滞在を振り返った。

 追加分の申し込みは現在も受け付けており、市秘書広報課の高松明弘係長は「移住後の生活が想像しやすいという利点がある。多くの地域住民とつながるきっかけづくりとなり、より移住を検討してもらいやすくなれば」と話した。

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