限界集落に「世界一美しいコンビニ」、詰めかける観光客…住民「元気が戻った」

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 藤田氏は13年以降、地区に木頭ゆずの加工販売に取り組む会社を設立するなどふるさとの再生に取り組んできた。コンビニの目的は「便利さ」だけでない。地区内外の人が交流し、刺激を受けた子どもたちが「未来」に希望を持てるようにとの願いも込めた。

 そのデザインと理念が高く評価され、昨年8月、世界3大デザイン賞の一つとされるドイツの「レッド・ドットデザイン賞」リテール(小売り)デザイン部門で、最高賞を受賞。11月にも、国内で最も権威のある「日本空間デザイン賞」で全部門を通じてのグランプリに選ばれ、これまで国内外で「10冠」に輝いた。

        ◇

 デザインを担当した「コクヨ」(大阪市)の佐藤航さん(42)は「限界集落でも『誰ひとり取り残さない』という持続可能な概念が評価されたのだろう」と話す。

 受賞後、県内外から観光客が訪れ、オープンから昨年11月までの来店客は延べ約5万2000人に上る。

 都会のコンビニと違い、多くの住民と店員は顔見知りだ。「キノコが採れた」と差し入れに訪れる住民も。カフェスペースには子ども向けの絵本が並び、親子でくつろげる。店長の小畑賀史さん(37)は「子どもが集まると、お年寄りも集まり、笑顔があふれる」と話す。

 学校の遠足や体験学習の場にもなっている。昨年11月に町外から体験学習で訪れた県立名西高1年の女子生徒(16)は「もし自分が育った町にこんなすてきなお店があれば、誇りを持てると思う」と話す。

 広島市出身で地域おこし協力隊を経て移住した同店マネジャーの植木弥生さん(39)は「人と人がつながる世界で唯一のコンビニ。ここで育った子どもたちに木頭の未来をつくってほしい」と願っている。(坂下結子)

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