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ペースト状の給食、胃ろうの子どもに笑顔…特別支援校で提供の動き広がる

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 胃につないだ管から栄養分を体内に直接取り込む胃ろうが必要な子どもたちに食事の楽しみを少しでも知ってもらおうと、特別支援学校でペースト状にした給食を提供する動きが広がっている。健康面や精神面での好影響を与えるとの調査結果もあり、保護者の負担軽減にもつながっている。(佐藤果林)

ケーキ

 「これはケチャップライス、これはケーキだよ」

 昨年12月24日、東京都立水元 小合こあい 学園(葛飾区)の教室で、病気の後遺症による重い障害で胃ろうを付ける小学5年の女子児童(11)が、担任教諭からペースト状になった給食の説明を受けた。看護師が管に給食を注入器で入れると、女子児童の口が自然と動き、表情が明るくなった。

 都内で胃ろうを必要とする児童・生徒は、主に18ある都立の肢体不自由特別支援学校に通っているが、これまでは原則、自宅から栄養剤を持参していた。都教委は保護者の要望を受け、2019年度から水元小合学園など4校で順次、すり潰した給食を看護師が注入する取り組みをモデル的にスタート。今年度から大半の学校で胃ろうの児童・生徒にペースト状の給食を提供するようになり、3月までに17校まで拡大する。

負担軽減

 「学校で対応してくれることで、保護者の負担も大幅に軽減される」。八王子東特別支援学校(八王子市)に三男(8)を通わせる母親(41)は話す。

 三男は栄養剤で体調を崩すことが多く、自宅ではペースト状の食事をとっている。同校はモデル校だったため、20年の入学時からペースト状の給食を提供してもらっていた。ただ、昨秋までは保護者が注入することになっていて、毎日学校に付き添っていた。母親は「クラスメートと同じものを食べられ、息子はうれしそうだ。特にデザートを楽しみにしている」と喜ぶ。

 都教委はペースト状にした給食の本格提供に合わせ、アレルギーへの対応のほか、注入しすぎを防ぐため胃の内容物を事前に吸引して胃の空き具合を確かめることなどを盛り込んだ指針を作成。個人によって違う注入量や、注入の間隔に合わせた個別マニュアルの作り方も示した。都教委の担当者は「食育の観点からも意義がある」と語る。

「よく笑うように」

 特別支援学校でのペースト状の給食提供は、12年に指針を作った神奈川県教委が先行する。県立こども医療センター(横浜市)がペースト食による影響を保護者に聞いたところ、68%が「便が硬くなった」と答えたほか、「皮膚のカサカサが減った」(35%)、「よく笑うようになった」(23%)といった前向きな声が多く寄せられた。

 県内の特別支援学校に胃ろうの方法などを指導してきたセンターの北河徳彦医師(56)は、ペースト食は栄養剤に比べ、健康維持に必要な栄養素や食物繊維を多く摂取することができると説明。「ペースト食なら、口から摂取できなくても食事を楽しむことができる。保護者も『ちゃんとした食事をさせられた』という安心感が得られる」と話す。

 同様の取り組みは沖縄県教委でも進む。20年度から県内のモデル校で実施しており、今年3月までに指針をまとめ、来年度から全面的に開始する予定だ。

 

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