不漁に津波「わずかな財産削られてしまった」…養殖施設など被害相次ぐ

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 南太平洋・トンガの海底火山で発生した噴火による津波の影響で、岩手県沿岸の漁業にも被害が相次いでいる。県によると、18日夕現在、宮古、大船渡、陸前高田、山田の4市町でサケ捕獲場やカキなどの養殖施設の破損が確認された。県は被害状況を調査中で、復旧にかかった費用の支援も検討している。

津波の被害を受けたサケ捕獲場で網を引き揚げる作業員ら(18日、岩手県宮古市で)=坂本俊太郎撮影
津波の被害を受けたサケ捕獲場で網を引き揚げる作業員ら(18日、岩手県宮古市で)=坂本俊太郎撮影

 宮古市内を流れる津軽石川のサケ捕獲場では同日、小舟に乗った関係者が、川底に沈んだ捕獲用の網を引き揚げていた。同市では16日未明に最大40センチの津波を観測。その影響で網をつなぐ木製のくい約50本が倒れた。

津波の影響で倒され、撤去されたサケ捕獲場のくい(18日、岩手県宮古市で)=坂本俊太郎撮影
津波の影響で倒され、撤去されたサケ捕獲場のくい(18日、岩手県宮古市で)=坂本俊太郎撮影

 管理する津軽石さけ繁殖保護組合によると、被害額は約300万円に及ぶ見込み。今シーズンはサケが不漁で、昨年12月の漁獲量は2年前から約7割減っただけに、佐々木章雄事務局長は「不漁に津波が重なり、わずかな財産を削られてしまった」と嘆いた。

 気象庁によると、噴火の影響で16日未明から朝にかけて、久慈市で最大1メートル10、釜石市で同40センチ、大船渡市で同30センチの津波が観測された。県のまとめによると、宮古市のサケ捕獲場での被害のほか、大船渡、陸前高田、山田の3市町では養殖用のいかだなど計112台が移動または一部損傷。定置網のロープ断裂の被害も確認された。

 山田町では、大沢漁港付近に浮かぶカキやホタテの養殖用いかだ約30台に被害があった。三陸やまだ漁協によると、引き波の際に渦が発生したとみられ、いかだをつなぎ留めるアンカーのロープが切れ、位置がずれたという。復旧作業は1週間ほどかかる見通しだ。

 漁師の男性(50)は「出荷作業に支障が出なければいいが……」と不安げな様子で復旧作業にあたっていた。同漁協の担当者は「どれくらいの損害になるのかわからないが、早急に復旧作業を進めたい」と話した。

 陸前高田市の広田湾漁協によると、同市小友町のカキ養殖施設でもいかだをつなぐロープが12か所で切れた。同市米崎町のホタテなどの養殖施設でも被害が発生したとみられるという。

 県では現在、市町村を通じて被害状況を調べている。今後、被害額を算定する方針で、農林水産企画室の鈴木茂寿企画課長は「被害の調査を継続し、必要があれば、支援を検討したい」と話した。

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