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東京電力福島第一原発事故で唯一、全町避難が続いている福島県双葉町で20日、住民が寝泊まりしながら帰還に備える「準備宿泊」が始まった。帰還困難区域のうち、6月にも避難指示の解除が予定されている「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」などが対象。双葉町民が宿泊できるのは、原発事故以来、初めてとなる。

双葉町は福島第一原発が立地し、町域の大半が宿泊が原則禁止される帰還困難区域となった。2020年3月、JR双葉駅周辺など一部(約220ヘクタール)で避難指示が解除された。同時に隣接する復興拠点(約555ヘクタール)への立ち入り規制も緩和され、インフラ(社会基盤)整備などが進められてきた。
復興拠点には事故当時、町の全人口の6割にあたる4376人が居住していたが、避難の長期化に伴い、解体された家も多い。準備宿泊の申し込みは19日現在で11世帯15人だ。
茨城県古河市で避難生活を続ける男性(45)は20日朝、町内にある自宅に戻り、「ここに戻れたことが信じられない」と喜んだ。ハウスクリーニングをした後、29日から寝泊まりを始める。「子どもたちとこの家で思い出を作れる。戻る人が増えて、町にあかりがともっていったらうれしい」と語った。
復興拠点での準備宿泊は福島県