廃虚となった巨大観音像、なぜかオーナーは国…「税金」9億円かけて異例の解体工事中

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 兵庫県淡路市で高さ約100メートルの巨大観音像の解体工事が進められている。観音像のオーナーは国。解体費約9億円は税金だ。なぜ国が観音像を持っているのか。背景を探ると、老朽化した民間の巨大施設の処理を巡って苦慮する地方自治体の姿が浮かぶ。(加藤律郎)

相続放棄の果てに

解体に向け、足場で覆われた観音像(13日、兵庫県淡路市で、読売ヘリから)=里見研撮影
解体に向け、足場で覆われた観音像(13日、兵庫県淡路市で、読売ヘリから)=里見研撮影

 大阪湾を望む淡路島の丘陵地に立つ「世界平和大観音像」。解体用の足場に囲まれた外観はタワーマンションのようだ。工事は今月から本格化する。外壁を撤去し、内側の鉄骨部分は頭部から順に切断してクレーンで地上に下ろす。6月頃には姿を消す予定だ。

 観音像は地元の実業家の男性が1982年に建てた。内部に展望台や博物館があり、開業当初こそ観光客でにぎわったが、次第に寂れ、88年には男性が死亡。引き継いだ妻も亡くなり、2006年に閉鎖された。

 遺族は相続を放棄し廃虚化が進行。外壁はひび割れ、一部がはがれ落ちるなどした。国は相続人がいない土地や建物は国庫に帰属するとの民法の規定を踏まえ、20年3月に国有化して解体を決めた。費用は約8億8000万円に上る。財務省によると、1億円以上かけて建物を解体するのは極めて異例という。

解体に及び腰

 老朽施設を撤去する責任は、まずは所有者にある。ただし、倒壊の恐れなど周囲に危険を及ぼす建物は、自治体が空家対策特別措置法に基づき行政代執行で強制撤去できる。費用も所有者から回収できるが、実際は難しいのが現状だ。

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