【独自】資金流出の社福、経営権売買時の20億円は設立者の「所得」と認定

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 社会福祉法人「サンフェニックス」(広島県福山市、民事再生手続き中)の資金流出問題で、設立者の男性医師(72)が2016年に経営権を事実上売買した際の所得を申告しなかったとして、広島国税局から20億円の申告漏れを指摘されていたことが関係者の話でわかった。過少申告加算税を含む所得税の追徴税額(更正処分)は約9億7000万円。医師は処分を不服として国税不服審判所に審査請求している。

 複数の関係者や民事再生手続きの開始申立書などによると、医師は16年3月、都内の男性公認会計士(58)(昨年10月に業務廃止)と、サンフェニックスの経営権を計42億円で移転するとの合意契約書を締結。契約条項には、42億円のうち20億円は会計士側が医師側に出資する方法で提供されることが盛り込まれていた。

 会計士は16年4月1日に医師と入れ替わりでサンフェニックスの理事長に就任すると、同月6日、香港に法人を新設。同月下旬から5月上旬にかけて、サンフェニックスから、会計士が代表を務める医療コンサルティング会社などを経由し、この香港法人に20億円が送られたという。5月に香港法人の代表に就いた医師は20億円のほとんどを、沖縄県の不動産やスリランカの紅茶関連会社への投資などに充てていた。

 医師は広島国税局の税務調査に対し、「20億円は香港法人に送金された投資資金で、自分の所得ではない」などと主張したが、同国税局は、医師と会計士が結んだ合意契約書に具体的な金額が盛り込まれていた点などを重視。20億円は医師に支払われた個人所得にあたると認定したとみられる。

 医師は取材に、20億円の原資はわからないとしたうえで、「香港法人の代表にはなったが、投資を実行する権利を持っているだけだ。もらったつもりはない」と主張し、追徴課税処分に不服を申し立てたことを明かした。

◆「売買代」で事件化も

 社会福祉法人は、社会福祉法に基づいて公益的な福祉サービスを非営利で担う団体で、売買は認められていない。しかし、事実上の売買が発覚して、脱税事件に発展したケースもある。

 宮崎地検は17年1月、宮崎市の社会福祉法人を巡り、理事長ポストを2億3000万円で後任に譲り渡した際の所得を申告せず、約9000万円を脱税したとして、元理事長の男を所得税法違反で在宅起訴した。宮崎地裁は17年3月、男に懲役1年、執行猶予3年、罰金2200万円の有罪判決を言い渡した。

 事件を受け、同市は「公益性の高い社会福祉法人の理事長職を売買することは不適当」として、法人を文書で指導した。

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