【独自】30億円流出の社会福祉法人、会計士側と資金循環で決算調整か

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 社会福祉法人「サンフェニックス」(広島県、民事再生手続き中)の資金流出問題で、都内の男性公認会計士(58)(昨年10月に業務廃止)が理事長に就いた2016年4月以降、サンフェニックスと会計士のグループ会社との間で、資金が循環するように移動していたことがわかった。移動先での運転資金などに充てられたとみられ、民事再生手続きの開始申立書は、こうした資金循環を経営破綻の一因に挙げている。

 読売新聞が入手した申立書や関係者によると、16年4月以降、サンフェニックスからは会計士が経営する医療コンサルティング会社や会計事務代行会社に資金が頻繁に送られ、さらに会計士が経営に関わる数十社に送金されていた。送られた資金は各社の運転資金のほか、企業買収の資金などに充てられていたという。

 一方、サンフェニックスの決算期である毎年3月が近づくと、グループ会社からサンフェニックスに資金が移動していた。サンフェニックスと医療コンサル会社、会計事務代行会社の決算期はいずれも異なっており、会計士が「決算期のズレ」を利用して資金を循環させ、決算上はサンフェニックスや各社が資金不足に陥っていないように調整していた疑いがあるという。

 しかし、グループ会社の業績悪化などにより、融通できる資金が減少。サンフェニックスは昨年9月、民事再生手続きの開始決定を受けた。会計士が16年4月に理事長に就く前に約30億円あった預金は、約2700万円になっていた。

 民事再生手続きの開始申立書はこうした状況を「グループ内で資金を食いつぶした」と指摘。医療コンサル会社など会計士の経営する複数の会社は、サンフェニックスの破綻と連鎖する形で破産開始決定を受けた。

 社会福祉法人は税制面の優遇措置があり、厚生労働省は外部への資金流出を認めていない。また、社会福祉法では会計帳簿などに虚偽を記載した場合、20万円以下の過料と定めている。

 読売新聞は昨年末に会計士に文書で質問したが、回答はなかった。

 サンフェニックスを巡っては、会計士と設立者の男性医師(72)が16年3月、42億円で経営権を移転する契約を締結し、事実上の売買が行われたことが判明している。このうち20億円は、サンフェニックスから医療コンサル会社などを経由して、医師側に渡ったとみられている。

スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
2704293 0 社会 2022/01/26 05:00:00 2022/01/26 05:00:00 2022/01/26 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/01/20220126-OYT1I50009-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)