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新型コロナウイルス感染が急拡大するなか、各保健所が担う県システムへの新規感染者の情報入力が追いつかず、「未処理」となるケースが急増している。読売新聞の取材では、25日時点で、未処理は2200件超に上る。神奈川県内では連日、4000人、5000人の新規感染が発表されているが、実際の感染者はさらに多いことになる。各保健所は登録項目の簡略化や担当職員の増員を図っている。

各保健所は、医療機関から日々報告される新規感染者の「発生届」を基に、基礎疾患や重症度といった感染者情報を県が運用するウェブシステムに入力している。この情報が県内自治体で共有され、感染者数の把握や健康観察などに活用されている。
読売新聞が県央、県西地域などで8保健所を運営する県と、独自に保健所を設置する横浜、川崎、相模原、横須賀、藤沢、茅ヶ崎の6市に取材したところ、25日時点で、計14保健所のうち横浜、茅ヶ崎市を除く12保健所で23件から400件前後の未処理が発生していた。川崎市は未処理件数を把握していないが、これまでで最多の状況とみている、としている。
相模原で400件
未処理が最も深刻だったのは相模原市の約400件で、藤沢市の319件、大和、綾瀬両市を所管する県厚木保健福祉事務所大和センターの308件と続いた。県所管のある保健所では、13日に発生届を受けた軽症患者を24日に登録したケースもあった。
こうしたなか、多くの保健所では、濃厚接触者を特定する「積極的疫学調査」で、患者の過去の行動履歴の調査対象期間を短縮したり、濃厚接触者らへの連絡を患者本人にしてもらったりするなどし、業務負担の軽減を図っている。
システムへの入力についても、横浜市が先週から一部を民間企業に外部委託。川崎、相模原、藤沢、横須賀市なども、別部署から最大100人ほどの応援職員を投入する「人海戦術」でしのいでいる。県は、県庁近くの民間ビルに専用の部屋を確保。約60人態勢で保健所から回ってくる発生届を交代で入力しているが、それでも職員らが未明まで残業せざるを得ない状況が続いているという。
国に新たな基準要望
横浜市の山中竹春市長は25日夕、全国20の政令市でつくる指定都市市長会を代表して厚生労働省を訪問。保健所の業務負担軽減に向け、発生届や健康観察は重症化リスクが高い感染者に限定するなど、国が新たな基準を定めるよう要請した。
要請後、山中市長は取材に応じ、「大都市では特に感染者が急増し、保健所業務が