37歳女性市長へのリコール署名、活動の「背景」とは…強引な手法などで様々な軋轢

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 徳島市の内藤佐和子市長(37)のリコール(解職請求)を目指す署名活動が27日から始まる。2020年4月に史上最年少の女性市長として「市政刷新」を期待された内藤氏。就任2年を前にしたリコールへの動きの背景には、何があるのか。

刷新期待され

リコールへの動きについて取材に応じる徳島市の内藤佐和子市長(20日、徳島市役所で)
リコールへの動きについて取材に応じる徳島市の内藤佐和子市長(20日、徳島市役所で)

 徳島市の街頭では、住民団体「内藤市長リコール住民投票の会」が、「公約を守る政治に変えましょう」とリコールへの協力を呼びかけている。同会は21年4月に発足。元徳島市議の 久次米くじめ 尚武代表は内藤市政を「独善的で不可解な意思決定が多い」と批判する。

 内藤氏は同市出身。東大在学中に発症した難病「多発性硬化症」の闘病体験をつづった著作「難病東大生」で注目を集めた。20年の市長選は当時現職の遠藤彰良氏との争いで、自民党が分裂する激戦となり、内藤氏が1999票差で制した。

 当時、市は財政難で観光の目玉の阿波おどりもチケット収入が低迷。徳島県唯一の百貨店も撤退が決まるなど 閉塞へいそく 感が漂い、市政刷新への期待を背にした市長就任だった。

関係者と軋轢

 内藤氏は遠藤前市長の施策の見直しに次々と着手したが、強引な手法や関係者らへの根回し不足などにより、様々な 軋轢あつれき を生んだ。

 その一つが私立認定こども園・保育園整備への補助事業の見直しだ。すでに予算化されていた事業が中止され、待機児童対策に逆行すると保護者らが反発。リコール運動の発端になった。

 阿波おどりでも、市が事務局を務める実行委員会が「体制に不備がある」として突然解散され、おどりの運営委託先の会社が「市に一方的に契約を解除された」として一時、提訴する動きもみせた。

 また、内藤氏は市長選で「市財政が好転するまで市長給与を50%カット」と掲げたが、21年3月に「財政好転の兆しがみられる」と15%カットの議案を提出。しかし、議会が否決すると新たな削減案は出さず、現在は満額(月111万8000円)を受け取り、「公約破り」の批判も上がる。

施策評価の声も

 一方、女性活躍や性的少数者支援など、先進的な施策を打ち出す姿勢を評価する声も少なくない。

 市は24日、住民団体側の批判への「反論書」を市のホームページに掲載した。

 反論書では、保育園整備事業の見直しについて「必要以上の定員拡大が図られ、多大な財政負担を強いられることが推測できた」と指摘。市長給与についても「財政調整基金や減債基金からの繰入金は、平成以降で最少となるなど、財政状況に好転の兆しが見えている」と説明している。

 リコールの動きに対し、内藤氏は「事実に基づいた批判や建設的な意見は受け止めて話し合いたいが、住民団体の主張には、事実に基づかないものが多い」と不満を漏らす。

前市長ら活動参加

 地方自治法では、リコールは、1か月以内に市内有権者の3分の1以上の有効署名を集めることが要件。徳島市の場合、有権者は約21万人おり、約7万人分の署名が必要だ。署名が集まれば60日以内に解職の是非を問う住民投票が行われ、有効投票の過半数の賛成でリコールが成立する。

 住民団体は、動画投稿サイト「ユーチューブ」に内藤市政への批判を投稿し、遠藤前市長や一部市議も参加。前回市長選と同様に地方議員らを巻き込んだ「政治闘争」の様相も呈している。

 署名活動は2月27日までの1か月。住民団体は署名集めの受任者が1万人に達したとしており、署名が集まるかどうか注目される。

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