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新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、東京都内でも年明けから自宅療養者が急増している。

今月1日時点で85人だった自宅療養者は26日時点で4万2733人と4日連続で過去最多を更新。一部自治体は療養者宅に日用品を届けたり、買い物代行をしたりするなど、療養者が安心して自宅で過ごせるよう様々な支援に取り組んでいる。
自宅に文具
「子どもが文房具をほしがっているので届けてほしい」

文京区向丘の文房具店「かみもと文具」に24日昼、小学校低学年の子ども2人が感染したという父親から注文の電話が入った。
父親も濃厚接触者と認定されたため、外出できないという。そのため、店から人気漫画「鬼滅の刃」のキャラクターがデザインされたノートや折り紙を自転車で運び、玄関前に置いた。配達後、父親から感謝されたという同店の上本
この取り組みは、同区が21日から始めた「文京ソコヂカラおたすけ便」。代金は療養者が後日支払い、区は協力店に500円の配達料を支払う。現在、薬局や酒店など区内4店舗が参加。現在も協力店を募集しており、区経済課の横山尚人課長は「地域一体で協力して、コロナ禍を乗り越えたい」と力を込める。
物資不足に対応
自宅療養者への支援は、都の「自宅療養者フォローアップセンター」が受け持つ。血中酸素濃度を測るパルスオキシメーターを貸し出すほか、水やレトルト食品、菓子など約1週間分の食料を届けている。
しかし、昨年夏の第5波では感染者の急増に対応が追いつかず、食料配布が最大で1週間ほど遅れた。今回の第6波では配送業者を増やすなど体制を整えているが、一部の自治体は独自に自宅療養者支援に乗り出している。
小金井市は昨年夏から3日分程度の食料やトイレットぺーパーなどの生活必需品を配布しているが、今月からは買い物代行の受け付けも始めた。
療養者から依頼を受けると、市職員が自宅に出向いて購入代金を預かり、委託業者が買い物に行く。手数料はなく、代金のやりとりは家のドアノブにかけてもらうなど対面せずに行うといい、市の担当者は「都や市の支援物資では不足する場合は、ぜひ活用してほしい」と呼びかけている。
ニーズに応える
療養者のニーズに幅広く応えようとする自治体も多い。
荒川区と墨田区では、薬の配達も行っている。健康観察で薬の処方が必要と判断した場合、荒川区は区医師会登録の医療機関がオンラインで診察。墨田区は医師らでつくる「健康観察チーム」が療養者宅に往診する。診察結果を基に、薬局が解熱剤や持病の薬を療養者に届けるという。
北区はイスラム教やヒンズー教徒の区民向けに、チキンカレーやカツオだしを使ったカップそばなど、牛肉や豚肉を使わない食品の支援を行っている。これまでに外国人世帯などを中心に約260セットを配布した。区の担当者は「今後もきめ細やかなサービスを続けたい」と話す。