都心から60分、里山広がる町に移住呼び込め…空き家活用で注目

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

売買が決まった築100年の古民家。長南町には農村集落に残る古民家が多い
売買が決まった築100年の古民家。長南町には農村集落に残る古民家が多い

 過疎化が進む千葉県長南町は、町に点在する空き家を掘り起こし、所有者から移住者への橋渡しに力を入れている。目指すのは、人口減少の歯止めで、一昨年度は2000年度以降で初めて転入超過となった。都心から車で約60分と交通の便がよく、コロナ禍のリモートワークで移住希望者の注目を浴びている。(戸田光法)

全日空、成田―北京便を7月11日再開…感染流入の警戒で「北京発」のみの片道

 県の中央部に位置する長南町は、緑豊かな里山や田園が広がるが、都心から60キロ圏内にある。宅地は少なく、築100年前後の古民家など魅力ある空き家が点在する。

 町によると、2021年12月末現在、町内の空き家は220軒。その約9割の所有者が「愛着があり残したい」などの理由で、放置している。

 町は16年から実態を調査し、空き家の所有者が売却する際、清掃代など上限50万円を補助し、空き家バンクへの登録を後押しした。20年までの5年間で移住希望者に58軒を紹介した。

 1955年に1万5000人を超えた町の人口は、高齢化による離農と若年層の転出で、7576人(2月1日現在)まで減った。町は、住宅を取得した45歳以下の夫婦に上限200万円の奨励金を出すなど、若者世代の定住を図る。平野貞夫町長は「空き家の有効活用で少しでも人口減少に歯止めをかけたい」と期待を寄せる。

古民家購入、田舎を満喫

 カメラマンの丸山彩乃さん(42)の夫妻は、長南町の古民家で開かれた料理教室に参加し、「田舎で豊かな生活をしている人がいることに感動した」のが移住の決め手となった。

 2019年7月に空き家バンクの紹介で坂本地区に築100年の古民家を購入。地域の仲間と協力し、庭や裏山を整備し、耕作放棄地を開墾するなど、田舎生活を満喫している。

築160年の古民家を改修したカフェで里山の良さを話す高橋さん夫妻(長南町で)
築160年の古民家を改修したカフェで里山の良さを話す高橋さん夫妻(長南町で)

 東京都内に住んでいた高橋信博さん(51)、裕子さん(50)夫婦は、蔵持地区の築160年の古民家を購入して改修。16年に中国茶、中国菓子を提供するカフェ「 芳泉茶寮ほうせんさりょう 」を開いた。食材を提供する地域の生産者の収穫作業を手伝い、移住者を集めた餅つき大会を開くなど、人のつながりを大切にする。

 信博さんは「都心に近く里山の美しい自然豊かな田舎はここにしかない」と魅力を語る。地元の人が移住者を気持ち良く受け入れてくれる環境だという。裕子さんは「都内に通う人もいて、人付き合いの距離感がいい」と笑顔を見せる。

 移住者を支援する地域おこし協力隊の田島幸子さん(39)は、旭市の職員を退職後、林業を営む夫と20年7月に移住した。古民家を借りて畑作業をしながら、町の移住の取り組みをSNSで発信する。田島さんは「里山の豊かさと人のつながりの強さが長南町の魅力」と新たな移住者の呼び込みを図る。

新型コロナ・都道府県別感染者数や最新ニュース
スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
2754791 0 社会 2022/02/13 00:17:00 2022/02/13 00:17:00 2022/02/13 00:17:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/02/20220208-OYT1I50053-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)