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JR飯田橋駅近くのフランス語書籍の専門店「


「皆様に支えられ、ここまで続けてこられました」。2月28日夜。店主の奥山由紀夫さん(70)が最後の日に集まった常連客らに感謝の言葉を伝えると、閉店を惜しむ常連客から拍手が上がった。その拍手は、店のシャッターが下りた後もやむことはなかった。
終戦から間もない1947年、奥山さんの父・朝広さんが創業した。外国書籍が手に入りにくかった当時、専門家の蔵書を引き取って販売するなどしたという。
奥山さんがこだわってきたのは「選書と会話」だ。閉店時の売り場面積は1階の50平方メートル程度で、並べられる本には限りがある。だからこそ利用客には、「うちの店ならではの選書を楽しみながら、店員との会話を通じて興味を広げてもらいたかった」(奥山さん)。
しかし、近年はインターネットでの書籍販売が普及した上、書籍の電子化も進んだことで、経営が悪化。さらに新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、教科書を使わないオンライン授業が大学などで広がったことが追い打ちとなり、奥山さんは閉店を決意した。
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