東北新幹線脱線、レールから1mずれて停止…「逸脱防止」装置が十分に機能せず
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JR東日本は25日、福島県沖の地震による東北新幹線「やまびこ223号」(17両編成)の脱線状況の詳細を公表し、6号車(先頭から12両目)がレールから約1メートルずれて停止していたことを明らかにした。全17両に脱線後にレールから大きくずれるのを防ぐ「逸脱防止ガイド」が取り付けられていたが、6号車を含め一部車両では十分に機能しなかった。

逸脱防止ガイドは、脱線時に列車がレールから大きくはずれて、側壁にぶつかったり、転覆したりするのを防ぐ装置。1両に4本ある車軸の両側に金具を取り付け、これがレールに引っかかることで逸脱を防ぐ。
JR東によると、「やまびこ223号」は全17両中16両が脱線し、うち12両はガイドの機能でほぼレール上にとどまった。しかし6号車は全てのガイドがレールから外れた状態で、対向レールの方向に約1メートルずれて停止した。4、5、17号車は一部のガイドがレールにうまく引っかからず、17号車(先頭車両)が側壁方向に約60センチずれていた。
JR東は「致命的に危険な状態ではなかった」としているが、永瀬和彦・金沢工業大客員教授(鉄道システム工学)は「車両が1メートルはみ出すと、対向列車が通った場合、衝突する危険性が高い」と指摘。「逸脱防止ガイドの機能の検証が必要だ」と話した。
新幹線の脱線対策では、JR東海が車輪がレールから外れるのを防ぐ「脱線防止ガード」を導入しているが、JR東は採用していない。