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オンラインゲームの空間で他人のアカウントを乗っ取ったとして、滋賀県警サイバー犯罪対策課と彦根署は29日、鹿児島県鹿屋市の男子高校生(16)と沖縄県沖縄市の無職少年(18)を不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検したと発表した。春はスマートフォンを新規契約する中高生が多く、啓発のため摘発事例を公表したという。(藤岡一樹)

発表によると、男子高校生は昨年5月28日、スマートフォンで、滋賀県在住の少年のゲーム用アカウントに不正に侵入し、乗っ取った疑い。少年はゲーム愛好家で、自らのプレーを実況形式で生配信。高校生は視聴者で、少年が公開した画面上に表示される個人情報を見て、悪用していた。
高校生は、少年のツイッターを特定したうえで勝手にパスワード変更を試み、その過程で画面に出る本人確認用の認証コードを盗み見。まずツイッターのアカウントを乗っ取った後、そのツイッターでログインしてプレーができるゲーム用アカウントを取得したという。
このアカウントは少年が10万円以上課金し、対戦型ゲームで勝てるよう強化されたもので、高校生は乗っ取った後に転売。同じ手口で約50回転売しており「1アカウント1000~5000円で売り、計10万~20万円ほどもうけた。洋服代など、遊ぶ金がほしかった」と容疑を認めている。
無職少年も同じ手口で昨年2月18日、県内の40歳代女性のゲーム用アカウントに不正に侵入した疑い。約30個のアカウントを転売し、計約20万円を得たと供述している。
被害者2人が昨年、それぞれ県警に相談。県警は通信履歴などから高校生と無職少年を割り出した。2人は「手口はネット上で調べた」と説明しているという。
サイバー犯罪対策課によると、昨年、県警に寄せられた同種の被害相談は約30件。大杉康和次席は「ネット空間では個人情報の管理に細心の注意を払うことが大切だ」と指摘。一方、乗っ取る側は若者が目立つといい「ネット上のうまい話に乗って犯罪に加担しないでほしい」と呼びかける。