自殺未遂者の性別・年齢や手段など、データベース化へ…再発対策の基盤に

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 厚生労働省は今年度から、救命救急センターに搬送された自殺未遂者から医療スタッフらが聞き取った性別や年齢、自殺未遂の手段などのデータを個人が特定できない形で登録し、実態把握や当事者の支援につなげる仕組みの構築に乗り出す。自殺未遂者は再度、自殺を試みるリスクが高いとされ、対策強化の基盤とする。将来的に全国の救命救急センターでの実施を目指す。

 この仕組みは「自殺未遂者レジストリ(症例登録)制度」と呼ばれ、世界保健機関(WHO)が各国に導入を促している。厚労省によると、すでに英国やベルギーの一部地域、コスタリカなどで採用されているという。厚労省は収集した情報を匿名化してデータベースに登録する仕組みを想定している。蓄積したデータは実情に応じた医療、福祉体制の強化など、自殺予防対策に反映させる方針だ。

 2021年9月からは、構築へ向けた課題を検証する研究を全国約10か所で実施してきた。救急搬送された自殺未遂者について、福祉サービスの利用の有無や、「死にたい気持ちをいつどの職種のスタッフが聞いたか」「精神保健福祉センターや児童相談所などにつないだか」など、聞き取る項目を精査している。

 研究の責任者で、帝京大学医学部の三宅康史教授(救急医学)は「全国の救命救急の現場に集まる自殺未遂者のデータを集めて自殺予防策に役立てるほか、現場の医療スタッフが患者の死にたい気持ちに注意を払って関係機関につなぐなど、意識向上にもつなげたい」と話している。

 レジストリの具体的な構築などは、国の指定を受けて自殺対策の調査や研究にあたる一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)」が担う。清水康之代表理事は「実態把握と現場の医療・自治体職員への研修の充実など、自殺未遂者支援を底上げしていく必要がある」と指摘している。

 厚労省と警察庁の統計では、21年の自殺者数は2万1007人にのぼる。コロナ禍では生活困窮や孤立で自殺に追い込まれる人の増加が懸念されており、対策強化が求められている。

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