朝鮮半島に最も近い対馬の海岸、毎日のように流れ着いた多くの遺体…「4・3事件」犠牲者を追悼

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 長崎県対馬市上県町佐護 みなと の供養塔で3日、終戦直後の韓国・済州島で南北朝鮮の対立に端を発し、島民が軍や警察と衝突した「4・3事件」の犠牲者らを慰霊する追悼式が行われた。

供養塔で読経する住職
供養塔で読経する住職

 同事件は1948年4月3日、米軍政の下、済州島で、朝鮮半島の南北統一を求めた島民のデモ隊に警官が発砲。武装蜂起した島民を軍や警察などが鎮圧し、3万人以上が犠牲になったとされる。

 朝鮮半島に最も近い佐護湊の海岸には、毎日のように多くの遺体が流れ着き、地元の住民らが収容して埋葬したという。供養塔は、埋葬に携わった父親の遺志を受け継ぎ、同市上対馬町比田勝の建材業江藤幸治さん(64)が2007年5月に海岸近くに建てた。

 追悼式を呼びかけたのは、大阪や京都などの市民でつくる団体「済州4・3 漢拏山はるらさん の会」。同会は2008年から毎年4月3日に済州島を訪問し、慰霊祭に参加していたが、新型コロナウイルス禍で今年も訪問できないため、対馬で初めてとなる追悼式を企画した。

 式には、同会関係者や対馬在住の韓国人ら約20人が参列。地元の住職が読経し、一人一人手を合わせた。その後、江藤さんが「皆さんとともに、この催しができることに感謝したい」とあいさつ。同事件に関わり、日本に逃れた詩人の 金時鐘キムシジョン さん(93)(奈良県生駒市)は、同事件への思いをメッセージで伝えた。

 引き続き、同会関係者らが、海を隔てた韓国に向かって合唱し、慰霊した。顧問の長田勇さん(74)は「海に眠る数えきれない犠牲者の魂に思いをはせて供養することが大事だ」と話した。同会は9月、佐護湊の海岸で同事件の慰霊祭を予定している。

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