17回目の結婚記念日の4日後、妻「事故なぜ起きた?」…地下駐車場で夫ら4人CO2中毒死

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 東京都新宿区のマンション地下駐車場で昨年4月、作業員4人が二酸化炭素(CO2)中毒死した事故から15日で1年となる。現場の安全管理に問題がなかったか警視庁が捜査しているが、詳しい原因は明らかになっていない。遺族は「なぜ事故が起きたのか、真相を知りたい」と願っている。(藤原聖大)

夫・昌弘さんの遺影に手を合わせる上村チャリトさん(左)(3月、東京都足立区で)=佐藤俊和撮影
夫・昌弘さんの遺影に手を合わせる上村チャリトさん(左)(3月、東京都足立区で)=佐藤俊和撮影

 「旦那さんが事故に巻き込まれました」。上村チャリトさん(56)(足立区)の携帯電話に警察官から連絡が入ったのは、昨年4月15日の午後だった。

 内装会社を経営する夫の昌弘さん(当時58歳)はこの日、兄の 昇巨のりきよ さん(同59歳)らとともに、下請けの作業員として地下駐車場で天井板の張り替え作業をしていた。その最中に、何らかの理由で熱や煙の感知器が反応してCO2ガスが噴出し、作業員6人のうち昌弘さんと昇巨さんを含む男性4人が死亡した。

消火設備から二酸化炭素ガスが噴出する事故が起きたマンション地下駐車場(2021年4月、東京都新宿区で)
消火設備から二酸化炭素ガスが噴出する事故が起きたマンション地下駐車場(2021年4月、東京都新宿区で)

 その後の警視庁の捜査で、現場の設備は閉止弁が閉められていなかったことが判明した。警視庁は元請けの建設会社が安全対策を怠った可能性があるとみて、業務上過失致死傷容疑で調べている。

 約30年前に内装会社を設立した昌弘さんは、朝6時前に家を出て夜まで働き、家族を支えていた。フィリピン出身のチャリトさんは知人の紹介で昌弘さんと知り合い、事故の4日前に17回目の結婚記念日を迎えたばかりだった。

 内装会社は昌弘さんがほぼ1人で運営しており、事業継続は困難になった。父の会社を継ぐのが夢だった高校生の長男(16)は今もショックから立ち直れていない。長女のマリアさん(24)も「笑顔の絶えなかった日常が消えてしまった」と話す。

 チャリトさんも夫の突然の死を受け入れられず、納骨もしていない。「事故の詳しい状況や原因が分からないと、気持ちの整理がつきません」。そう言って遺影に手を合わせた。

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