あるスリランカ男性の人生を変えた食べ物…日本式の味「世界に広めたい」

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 東京都千代田区神田須田町に、スリランカ人男性が1人で切り盛りするカレーの店がある。提供するのはとろりとしたルーが特徴の日本式カレー。日本のカレーを世界に広めたいと昨年、念願だった自身の店を開いた。

外国人に人気のチキンカツカレーを手にするアジャトさん。自身が初めて食べたのもこのカレーだったという(8日、千代田区で)
外国人に人気のチキンカツカレーを手にするアジャトさん。自身が初めて食べたのもこのカレーだったという(8日、千代田区で)

 店主のナサルディーン・モハメド・アジャトさん(29)は2015年に留学のため来日。栃木県で暮らしたが、豚肉やアルコールが摂取できないイスラム教徒のため食事に困ったという。「どの食事が大丈夫か分からないので、ずっと卵を焼いて食べていた」とアジャトさんは振り返る。

「まん延防止等重点措置」が適用された期間は午後8時の閉店を強いられた。できる限りの営業を続けたが売り上げは約4割減ったという。それでも「日本のカレーを広めたい」という夢がアジャトさんを支える(2月19日、千代田区で)
「まん延防止等重点措置」が適用された期間は午後8時の閉店を強いられた。できる限りの営業を続けたが売り上げは約4割減ったという。それでも「日本のカレーを広めたい」という夢がアジャトさんを支える(2月19日、千代田区で)

 その後、専門学校を卒業し、19年に就職のため上京したアジャトさんは、人生を変える食べ物に出会う。イスラム教の戒律に沿って調理する、ハラール対応の日本式カレーだ。カレー専門店チェーン壱番屋が出しており、「スリランカのカレーとは全く違う、未知のおいしさでした」。

 スリランカにいた頃はパン屋でアルバイトをしており、料理は得意だ。多くの外国人観光客が日本を訪れていた時期で、来日するイスラム教徒にも安心して日本の料理を食べてもらいたいと思い、日本式カレー店の出店を計画。カレー店でアルバイトをして腕を磨き、目の前にモスクがある立地で21年1月、店をオープンさせた。メニューには、もう一つの好物まぜそばも加え、店名は「ニコニコ まぜ麺&カレー」にした。

 しかし、コロナ禍は思った以上に長引き、モスクを訪れるイスラム教徒は減った。訪日観光客も戻ってこない。それでも、スリランカカレーを日本人に出すなどして持ちこたえている。

昼営業後には、自転車で買い物に繰り出す。「イスラム教徒にも安心して日本の料理を食べてもらいたい」と食材には細心の注意を払う(12日、台東区で)
昼営業後には、自転車で買い物に繰り出す。「イスラム教徒にも安心して日本の料理を食べてもらいたい」と食材には細心の注意を払う(12日、台東区で)
店舗の壁には、利用客が出身地にピンを刺した世界地図が貼られていた。「いつかこの地図をピンでいっぱいにしたい」(2月16日、千代田区で)
店舗の壁には、利用客が出身地にピンを刺した世界地図が貼られていた。「いつかこの地図をピンでいっぱいにしたい」(2月16日、千代田区で)
店舗の壁には、利用客が出身地にピンを刺した世界地図が貼られていた。「いつかこの地図をピンでいっぱいにしたい」(2月16日、千代田区で)
店舗の壁には、利用客が出身地にピンを刺した世界地図が貼られていた。「いつかこの地図をピンでいっぱいにしたい」(2月16日、千代田区で)

 アジャトさんの店の壁には世界地図が貼られ、来店客が出身地をピンで刺している。「いつかこの地図をピンでいっぱいにしたい。海外にも進出して、日本のカレーを広めたい」。アジャトさんは目を輝かせて語った。(写真と文 三浦邦彦)

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2947458 0 社会 2022/04/24 12:53:00 2022/04/24 17:03:58 2022/04/24 17:03:58 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/04/20220424-OYT1I50013-T.jpg?type=thumbnail

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