出航時は穏やかだった波、4時間後には荒れて3m超…漁師「1・5m超ならためらう」

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 北海道・知床半島沖の観光船事故で、出航時は穏やかだった波が、消息を絶ったとみられる4時間後には3メートルを超すほど荒れていたことが、国土交通省の観測データで明らかになった。

北海道・知床岬の突端付近を捜索する自衛隊の航空機(25日午前10時、読売ヘリから)=川口正峰撮影

 国交省北海道開発局によると、観光船が出航した23日午前10時、ウトロ漁港(北海道斜里町)の波高は32センチと穏やかだった。

 しばらく約30センチの波高で推移していたが、午前11時40分頃から上昇を開始。午後0時20分に1メートルを超えると、118番があった午後1時18分には2メートルになった。その後も上昇し、観光船が消息を絶ったとみられる午後2時には3メートル07に達した。

 網走地方気象台によると、斜里町には23日午前3時9分から強風注意報が、同9時42分からは波浪注意報も出ていた。周辺では同9時前に寒冷前線が東に通過した。気象台は「前線が通過すると、一般的に気温が下がり風が強くなる。海上の風が強まり、波が急激に高くなった可能性がある」と推測する。

 地元漁師によると、波高が1・5メートルを超えると、出航をためらうという。ある漁師は、「『波が穏やかな時間に出航してしまえ』と判断したのか。多くの命を預かる観光船だから、踏みとどまる選択もあった」と話した。

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