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息子を名乗る男が「のどの治療で声が変わった」とうその電話をしてきて、治療費などの名目で金銭を要求する特殊詐欺が和歌山県内で相次いでいる問題で、県内の金融機関の職員が今春、2件の被害を防いだ。県警は職員らに感謝状を贈った。

1件目は、きのくに信用金庫湯浅支店(湯浅町)の女性(23)と男性(51)。
有田湯浅署によると、女性職員は3月30日午後、80歳代女性に「250万円を早く引き出して」と言われた。不審に思い、上司の男性に相談した。女性は「息子ののどの手術で治療費が必要」と話し、男性は特殊詐欺と直感。息子に電話して詐欺であることを確認した。
同署で4月19日に感謝状を受け取った2人は「親心につけ込む悪質な犯罪を防げてよかった」と喜んだ。
2件目はながみね農業協同組合(海南市)。海南署によると、男性職員が4月19日、80歳代の女性から300万円の出金を相談され、「息子が『急にのどが痛くなった。手術が必要』と電話してきた」などと言われた。
その後、息子を名乗る男から女性に電話があり、男性職員が対応。男に住所を聞いたが答えられず、詐欺と確信し、同署に通報した。同署はこの事件に関わったとして大阪市の男(32)を詐欺未遂容疑で逮捕した。
同署で28日に行われた感謝状贈呈式で、男性職員は「顧客との信頼関係で解決に導けて良かった」と話した。
県警によると「のどの治療」の特殊詐欺の相談は今年に入って急増。被害は5件(被害総額約780万円)を確認している。まず「医師」を名乗る男が電話してきた後、「息子」から連絡が入るケースが多い。医師を名乗ることで相手を信用させ、息子と声が違うことに疑問を持たせないようにする狙いとみられる。
県警は、フリーダイヤル「ちょっと確認電話」(0120・