「条件付き運航」の社長説明、同業者批判「認識が間違っている」「荒天予報なら出ない」

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 北海道・知床半島の沖合で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の桂田精一社長(58)が悪天候が予想される中、出航した当時の判断を「条件付き運航」と説明したことに地元の同業者から批判の声が上がっている。同業3社は悪天候が予想された場合、欠航するといい、「客に安全を軽視していると勘違いされる」と懸念している。

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「知床遊覧船」の桂田精一社長が記者会見で提示した条件付き運航に関する資料(4月27日、北海道斜里町で)=大石健登撮影
「知床遊覧船」の桂田精一社長が記者会見で提示した条件付き運航に関する資料(4月27日、北海道斜里町で)=大石健登撮影

 桂田社長は4月27日の記者会見で、強風・波浪注意報が出ていることを知っていたと説明。その上で、港周辺に波風がなかったことから、出航後に海が荒れれば引き返す条件付き運航を行ったと明らかにした。条件付き運航について「皆、長年やっている」とも答えた。

 知床遊覧船が事故を起こしたツアーは、知床半島の先端の岬まで行って折り返す3時間コースで、料金は1人8800円だった。桂田社長は記者会見で、到達地点によって料金を変える仕組みだったと説明した。

 これに対し、斜里町のウトロ漁港を拠点にする観光船運航会社の菅原浩也社長は、「悪天候が予想される時は出航しない」と強調。気象条件は良好だが、遊覧中に視界が悪くなった場合は引き返し、料金を一部返金することを想定した営業を条件付き運航と呼んでいると話した。

 他の2社も安全な気象条件だが、波風の影響で客が船酔いしそうになったり、波で客がぬれそうになったりする場合、ツアー途中で引き返し、返金する仕組みと指摘する。

 同業他社の男性経営者は「桂田社長の認識が間違っているのに、『条件付き運航』という言葉が独り歩きし、批判を浴びている」と困惑しながら話した。

 国土交通省は桂田社長が説明した条件付き運航を問題視し、観光船の運航に関する安全基準の見直しを進めている。

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