知床観光船、国主導で船体引き揚げ…「飽和潜水」で船内捜索・準備作業に着手へ

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 北海道・知床半島沖で乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、斉藤国土交通相は2日、国が主導して観光船を引き揚げる方針を明らかにした。行方不明者の捜索や事故原因の究明のため、国の関与が必要と判断した。一方、海上保安庁は同日、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の事務所を業務上過失致死容疑で捜索した。

国後島で発見の男女2遺体、カズワン乗船者とDNA型一致…ロシアと引き渡し調整へ
「カシュニの滝」付近の海域で、水中カメラを使って沈没した観光船内の捜索を行う北海道警の警備艇「いしかり」(1日午前、北海道斜里町で、読売ヘリから)=早坂洋祐撮影
「カシュニの滝」付近の海域で、水中カメラを使って沈没した観光船内の捜索を行う北海道警の警備艇「いしかり」(1日午前、北海道斜里町で、読売ヘリから)=早坂洋祐撮影

 2日夜、国交省の事故対策本部会議で、斉藤国交相は「行方不明者の捜索、事故原因究明などの観点から、国交省の総力を挙げ、引き揚げ準備を開始してほしい」と述べた。

 カズワンの船体は4月29日、知床半島西側の「カシュニの滝」から約1キロ沖合、水深約115メートルの海底で見つかり、同庁の潜水士が潜れる限界の60メートルを超えている。同庁などが水中カメラで船内を確認しているが難航している。

 これまでに発見されたのは乗客14人、残る12人が行方不明。船内に残されている可能性もある。引き揚げに先立ち、同庁は、「飽和潜水」と呼ばれる方法で船内を捜索する。特別な設備で潜水深度の水圧に体を適応させて潜る方法で、4月30日にこの技術を持つ「日本サルヴェージ」と契約を結んだ。5月上旬に準備作業に着手する予定。

 捜索後、引き揚げ作業に移行する。事故の状況を調べるため、船体の損傷などを確認する必要もある。船舶事故では運航事業者が引き揚げるケースも多いが、国が主導して早期に実施することにした。

 一連の費用は、飽和潜水による調査までで約8億7700万円。さらに引き揚げの費用がかかる。政府は、知床遊覧船に請求することも検討している。

 一方、同庁は2日、知床遊覧船の事務所を業務上過失致死容疑で捜索した。桂田精一社長(58)とカズワンを操縦していた豊田徳幸船長(54)の安全管理に問題がなかったか捜査を進める。

 第1管区海上保安本部(小樽市)は2日、新たに死者2人の身元を発表した。北海道北見市の鈴木智也さん(22)、大阪市の米田美佳さん(43)で、これで亡くなった14人全員の身元が公表された。

 行方不明の12人については、1管などが2日も海上の捜索を行ったが、発見には至らなかった。水中カメラによる船体の捜索は悪天候のため見送った。

知床観光船事故の最新ニュース
スクラップは会員限定です

使い方
「社会」の最新記事一覧
2969973 0 社会 2022/05/02 22:36:00 2022/05/02 22:36:00 2022/05/02 22:36:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220502-OYT1I50122-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)