メモ入力
-最大400文字まで
完了しました
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故は国土交通省で事故対策検討委員会が始まり、再発防止策の検討が本格化した。運航会社「知床遊覧船」は2年前、同社の「KAZU 3(カズスリー)」で衝突事故を起こしていたことが判明。豊田徳幸船長(54)のカズワンばかりか、他船でも事故が起きていたことになり、同業他社は企業姿勢を疑問視している。
過去に複数回の事故

運輸安全委員会の報告書によると、カズスリーは2020年7月、斜里町のウトロ漁港を離岸する際、他社の観光船と衝突。カズスリーは船尾部分を、観光船は船体の中央部分を損傷した。報告書は、両船の船長が互いの接近に気づくのが遅れたため衝突したとみられる、と結論づけている。
豊田船長が知床遊覧船に入社したのは同年夏頃だった。
カズワンは21年5月、乗客19人を乗せて航行中、漂流するロープの塊に船首が接触し、乗客3人が軽傷を負った。桂田精一社長(58)は「運航は豊田船長ではなかった」と4月27日の記者会見で説明した。
同6月には乗客21人を乗せて航行中のカズワンが浅瀬に乗り上げる事故が発生。国交省によると、この事故で乗客らにけがはなく、船も自力で港へ戻ったが、船尾で船を支える「シューピース」が変形したという。
21年の2件の事故を受け、北海道運輸局は同社に特別監査を実施。国の船舶検査を代行する「日本小型船舶検査機構」も、シューピースの修理状況を確認する臨時検査を実施した。
1
2