「田んぼが干上がる、もって2週間」…大規模漏水が田植え時期の農家を直撃

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 愛知県豊田市の「明治用水頭首工」で17日発生した大規模漏水は、自動車産業だけでなく、農業にも大きな影響を与えた。復旧の見通しが立っていない現状に、農家などからは不安の声が上がった。

川の水位が下がり、ポンプでの取水が行われている明治用水頭首工(18日午後1時33分、豊田市で)=青木久雄撮影
川の水位が下がり、ポンプでの取水が行われている明治用水頭首工(18日午後1時33分、豊田市で)=青木久雄撮影

 東海農政局などによると、豊田市や安城市など8市では、17日に農業用水の給水が停止された。農政局は18日の記者会見で、多数のポンプを使用して応急的に取水作業を行っているとし、「田植えを待っている方々もいる。できるだけ早く漏水箇所を復旧させたい」と述べた。しかし、復旧の見通しは立っていない。

 JAあいち豊田によると、豊田市は県内有数の米どころ。平野部では「コシヒカリ」や「大地の風」、中山間地では「ミネアサヒ」などの品種を作付けしている。

 コシヒカリはすでに大半の生産農家で田植えを終えているが、県が開発した「大地の風」は今週末から農家へ苗が渡される予定で、田植えはこれからだ。

 約10ヘクタールを明治用水からの農業用水に頼る同市の農事組合法人代表理事・有我保さん(51)は「10ヘクタールはすべてコシヒカリで田植えは終えているが、水を入れることができずに好天が続けば、あっという間に田んぼは干上がってしまう」と不安な様子。「もっても10日から2週間。一日でも早く直してくれと願うしかない」と話した。

 碧南市や安城市など5市に組合員約1万4000人を擁するJAあいち中央(本店・安城市)では、組合員約1万人が明治用水からの水を利用しているという。

 田植えで今が一年で最も大量の水を必要とする時期で、17日早朝から水が止まったため管内の全域で影響が出ているという。同JAでは、すでに水を張った田んぼでは水を漏らさないよう厳重な管理を指導しているといい、営農指導の担当者は「早く復旧するよう祈るばかり」と話した。

 漁業関係者からも不安の声が上がる。

水位が低下した明治用水の水路
水位が低下した明治用水の水路

 矢作川のアユ釣りは上流部が今月解禁され、6月1日に下流部の一部、同15日に中、下流部の解禁を控えている。矢作川漁業協同組合の関係者は「川を見回ったが、普段より水位が低いように感じた。釣果に影響が出ないか心配だ」と懸念した。

 中流部の「広瀬やな」は、7月9日の営業開始を予定する。組合員の男性(76)は「やなそのものには影響はないと思うが、川のイメージが下がらないよう復旧を急いでほしい」と話していた。

 一方、豊田市は18日午前に緊急会議を招集。関係部署の担当者が情報交換をするとともに市の今後の対応などを協議した。危機管理の担当者は「復旧に向け、やれることをやっていきたい」と話した。

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