北朝鮮技術者のアプリ開発、2年前の事件でも仲介サイト使用

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 中国に住む北朝鮮のIT技術者が、知人の男名義で日本のアプリの開発を請け負い、報酬を不正送金させていたとされる事件で、日本企業と技術者をつないだ仲介サイトが、2年前に摘発された類似事件でも使われていたことが、捜査関係者への取材で分かった。神奈川県警は、北朝鮮の技術者が別のサイトを使っていたことも確認しており、北朝鮮が外貨獲得を狙って仲介サイトに入り込んでいるリスクが浮かび上がった。

 今回の事件を巡っては、北朝鮮の技術者が、銀行法違反(無許可営業)容疑で書類送検された韓国籍の男(57)の名義で仲介サイトに登録し、アプリ開発などを受注していた疑いが判明している。

 捜査関係者によると、2020年2月にも、虚偽の個人情報でこのサイトに登録したとして、大阪府警が、韓国籍の60歳代男性(起訴猶予で不起訴)を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で摘発する事件があった。この男性は受注したアプリ開発を北朝鮮の技術者が働く中国企業に委託し、報酬を送金したとされ、同じ構図が浮かぶ。

 このサイトには約150万人のフリーランスの技術者らが登録しており、運営会社は身分証の提示などで本人確認をしている。ただ、運営会社の担当者は「登録者の本人確認を強化しても、実際の作業者までは確認できない」と話す。

 今回の事件を主導したとされる北朝鮮の技術者は、同じ韓国籍の男の名義で別の大手仲介サイトにも登録し、兵庫県の防災アプリの修正や地図アプリの更新などの仕事を受注していた。登録する技術者らが約480万人に上るこのサイトでは、身元の証明を任意とするサービスを提供しており、運営会社は「あくまでサイトはマッチングの場。本人確認は当事者の責任」とする。

 明治大の湯浅 墾道はるみち 教授(情報法)は「仲介サイトでの発注は安価で利便性が高い分、偽装登録などのリスクもある。利用者は、身元や信用性を様々な方法で確認する手間とコストも求められる」と注意を促している。

兵庫県「チェック不十分だった」

 北朝鮮のIT技術者が兵庫県の防災アプリの修正業務を請け負っていたことを受け、県は19日、「チェックが十分ではなかった」と陳謝した。個人情報の流出や不正プログラムの埋め込みは現時点で確認されていないという。

 県によると、アプリは防災情報を知らせる「ひょうご防災ネット」。ラジオ関西(神戸市)と共同で開発し、延べ26万人が利用している。

 県はアプリの保守業務をラジオ関西に委託していたが、同社は県に報告せずに不具合の修正業務を大阪市内の業者に再委託。この業者がさらに東京都内の別の業者に委託し、最終的に仲介サイトを通じ、IT技術者が請け負ったという。

 県は「委託業者の身分確認を徹底し、再発防止を図りたい」とした。

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