メモ入力
-最大400文字まで
完了しました
北海道・知床半島沖での観光船「KAZU I(カズワン)」(乗客乗員26人)の沈没事故で、国土交通省と海上保安庁は早ければ21日にも、実質的な船体の引き揚げ作業に着手する方向で最終調整に入った。作業完了は週明けになる見通し。

引き揚げは、「飽和潜水」による船内捜索を行っている「日本サルヴェージ」に依頼する。同社とのこれまでの契約は、捜索と引き揚げに向けた事前調査に関するもので、今後、約1億円余りで追加契約をする方向で調整している。これまでの契約額の約8億7700万円と合わせ、総額は約10億円となる。
カズワンは沿岸から約1キロ離れた水深約115メートルの海底にある。作業中の破損を防ぐため、引き揚げ前に船体の保護作業などを行う。その後、いったん海面近くまで持ち上げた後、水深の浅い沿岸部まで移動してから海面上に引き揚げるため、数日の作業が必要となる見通しだ。
現場海域の潮流の影響で、19日の飽和潜水の作業開始が遅れるなどしており、今後も気象や海の状況次第で作業日程が変更になる可能性がある。
国交省と同庁は、引き揚げ後の船体を詳しく調査し、行方不明者の捜索や事故原因の究明、再発防止策の検討を行うほか、業務上過失致死容疑で捜査を進める。