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北海道・知床半島沖の観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故は今後、水深約115メートルに沈んだ船体の引き揚げ作業が本格化する。第1管区海上保安本部は21日の準備開始から陸揚げまで5~7日程度と見込むが、現場海域は潮の流れが速く天候も不安定で、作業には困難がつきまとう。事故は23日で発生から1か月。船体は沈没の原因究明のカギとなるため、いかに傷つけずに引き揚げるか、慎重な作業が求められる。
24日にも海上へ


カズワンの船体は、船底を下に右舷側に約30度傾いた状態で海底に沈んでいる。海上保安庁と契約した専門業者「日本サルヴェージ」による引き揚げ作業では、21日に特殊技術「飽和潜水」で潜った潜水士が引き揚げの支障になるアンテナを撤去し、船内の備品が落ちないよう客室のドアを閉じるなどの準備作業を行った。

同庁によると、23日にはワイヤを使って、作業台船「海進」でカズワンの船体を水深10~20メートルの海面下までつり上げる。その後、網走港沖の浅い海域までカズワンが揺れないよう慎重に移動する。海進がいかりを下ろし、安定して作業を行えるようにするためで、順調なら24日にも海進の甲板上にカズワンを引き揚げる。船内の水を抜いて2、3日乾かした後、陸揚げする。
厳しい自然
ただ、現場海域は自然条件が厳しく、作業への影響も懸念される。19日の飽和潜水による捜索は潮の流れが速かったため作業開始が約2時間半遅れた。22日は風が強く、予定した船体のつり上げ作業が中止となった。
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