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海難事故に詳しい東海大海洋学部の山田吉彦教授は「知床の速い潮流で、引き揚げの際に大きく揺れてバランスを崩す危険性もある。潮流が弱まるタイミングの見極めこそが最も重要だ」と指摘する。
慎重に証拠保全
事故を巡っては、1管が業務上過失致死容疑で調べている。カズワンは消息を絶つ前、「船首が浸水している」などと連絡しているが、水が入り込んだ原因はわかっていない。事故の分析や再発防止策を講じるためには、船体の詳細な調査が欠かせない。
カズワンの船体は繊維強化プラスチック(FRP)製で、ワイヤで傷がつく恐れがある。このため船体には直接、ワイヤを巻き付けず、「スリング」と呼ばれるナイロン製の柔らかい帯を使って固定する。
山田教授は「事件捜査の証拠保全のためにも、船内外に傷一つつけないような慎重さが求められる。非常に神経を使う作業となる」と話している。
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