「学校」「更衣室」を盗撮規制場所に追加…県条例の「盲点」、ようやく改正

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 盗撮行為の取り締まりを強化する広島県の改正県迷惑防止条例が、6月1日に施行される。盗撮行為の規制場所はこれまで、不特定多数が自由に出入りできる「公共の場所や乗り物」に限られていたが、今回の改正で学校や更衣室など幅広い場所が規制対象に加わった。巧妙な手口が増える盗撮を取り締まれるようにするのが狙いだ。(岡大賀)

 改正前の条例では、盗撮を禁止する場所を、駅や電車、公衆トイレなど、誰もが出入りできる「公共空間」に限定。学校や事務所、商業施設のトイレなどの「準公共空間」や、住宅や更衣室などの「私的空間」は対象外だった。

 広島県警は、こうした場所で盗撮が発覚した場合、建造物侵入容疑などを適用してきた。だが、建造物侵入による被害者は建物の管理者だ。盗撮の直接の被害者は「蚊帳の外」に置かれるほか、管理者が被害届を出さないために検挙できないケースもあるという。

 今回の改正では、準公共空間や私的空間も規制対象に加わった。背景には、スマートフォンや小型カメラの普及で、盗撮のリスクが高まっている現状がある。

 法務省の資料によると、2010年に1741件だった全国の盗撮の検挙件数は、19年に倍以上の3953件に増加。このうち、スマートフォンが2871件と約7割を占め、小型カメラも610件あった。公共空間以外の盗撮も多く、学校(幼稚園を含む)で被害にあった児童らは21年に93人報告されており、前年から55人増えている。

 学校内の盗撮に条例違反が適用できなかったケースも、他県で実際に発生。条例の「盲点」を解消しようと、全国的に同様の改正は進んでいたが、広島の動きは比較的遅く、改正は全都道府県で45番目という。

 今回の改正では、盗撮目的でスマートフォンや小型カメラを設置したり、相手に向けたりする「準備行為」の禁止も明文化された。これまでは「卑わいな言動」に当たると解釈できる場合に検挙してきたが、禁止となる行為を明確にし、取り締まりやすくした形だ。

 一方、罰則については「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」のままで変わらない。

 県警生活環境課によると、現在の条例による盗撮の送致件数(準備行為も含む)は21年に114件あったが、今回の条例改正で検挙できるケースはさらに増えると期待される。

 同課の枝広誠志課長は「電子機器の普及で、盗撮は手口が巧妙かつ悪質になっている。今回の改正で県民の不安を 払拭ふっしょく し、安心と安全につなげたい」と話す。

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