「あだ名」「呼び捨て」は禁止、小学校で「さん付け」指導が広がる

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 クラスメートを「あだ名」で呼んだり「呼び捨て」にしたりせずに、「さん付け」するように指導する小学校が増えている。身体的特徴を 揶揄やゆ するようなあだ名は、いじめにつながるケースがあるからだ。ただし、さん付けは円滑なコミュニケーションを阻むおそれもあり、有識者は「『さん付け』を求める場合は、きちんと理由を説明してあげてほしい」と指摘する。(松本将統、平出正吾)

お姉さん気分

 「皆さんはお友達を『○○さん』と呼ぶことができていますか?」

相手を大切に思う習慣を身に付けてもらおうと、東京都江戸川区立葛西小では児童に「さん付け」で呼び合うことを指導する(19日)=須藤菜々子撮影
相手を大切に思う習慣を身に付けてもらおうと、東京都江戸川区立葛西小では児童に「さん付け」で呼び合うことを指導する(19日)=須藤菜々子撮影

 今月19日、東京都江戸川区立葛西小で、1年1組の担任の千葉 千央ちひろ 教諭(37)が、帰りの会で児童29人に呼びかけた。元気のいい返事を聞くと、「あだ名や呼び捨ては、相手を嫌な気分にさせることがあります。さん付けは、人を大切にする呼び方なのですよ」と続けた。

 幼稚園では「君」や「ちゃん」で呼び合っていたという女子児童(6)は「お姉さんになった気分。呼ばれてうれしい」と、はにかんだ様子で話した。

 同小では、名字にさん付けするよう求めており、この取り組みは今年で6年目。内野雅晶校長(60)は「小さいうちから相手を尊重するという素地を育めば、人を攻撃するような行動は取らないはずだ」と話す。

校則に明記

 文部科学省の問題行動・不登校調査によると、全国の小学校でのいじめ認知件数は増加傾向だ。2020年度は42万897件の報告があり、このうち約6割が「冷やかしやからかいなど」だった。

 児童同士の呼び方について、文科省では指導はしておらず、担当者は「あだ名にはプラスとマイナスの両面がある。相手をどう呼ぶかは、相手がどう受け止めるのかに尽きる」とする。

 <友だちを呼ぶときは『さん』をつけます>。水戸市の私立水戸英宏小では校則にそう明記している。野淵光雄教頭(51)は「あだ名は身体的特徴や失敗行動など相手を 蔑視べっし したものが多い。呼び方だけでいじめを根絶できるわけではないが、抑止することにはつながる」とする。

 約160の公立小学校がある京都市でも、ある校長は「この10年で『さん付け』は半数近くにまで広がっている」と語る。

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