「あだ名」「呼び捨て」は禁止、小学校で「さん付け」指導が広がる

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 一方、埼玉県内にある小学校の40歳代の男性教諭は「さん付けは時代の流れであり、それを各校が取り入れることは理解できる。ただし、あだ名まで禁止すると円滑なコミュニケーションがとれないのでは」と語る。長野県で小学校の校長経験がある60歳代の男性も「昔は子供たちが愛称で呼び合った。その効果か、クラスはにぎやかだった」と振り返る。

嫌な思い

 日本トレンドリサーチが20年11月、社会人1400人に調査したところ、小学生の頃にあだ名があったのは69%。このうち36・7%が「嫌な思いをしたことがある」と回答した。

 小学校の校則であだ名が禁止されることについては「賛成」が18・5%、「反対」が27・4%、半数超の54・1%は「どちらでもない」だった。

 名古屋大の内田良教授(教育社会学)は「クラスメートをどう呼ぶのかは難しいテーマだ。教員が『さん付け』を一方的に求めるだけだと、なぜそうした呼び方をするのか子供は考えなくなってしまう。理由や背景をきちんと大人が説明し、考えさせることが大切だ」と指摘する。

「大切なのは敬意」

 大人の世界でも名前の呼び方に工夫が凝らされている。

 東レ経営研究所(東京都)では、2020年から上司も部下も「さん付け」で呼び合うことを決めた。肩書での呼び方を改めて、一人ひとりを優秀な社員として尊重し合い、働きがいを持ってもらうことが狙いだという。ウェブコンサルティング会社「フォノグラム」(広島県)では、03年の創業当初から社員同士をあだ名で呼び合う。代表の河崎文江さん(47)は「河崎」を中国語読みした「ハーチィ」が呼び名として定着しており、「親しみを感じて話しやすくなり、会話から新たな仕事のアイデアが生まれる」と語る。

 日本サービスマナー協会認定マナー講師の吉岡由香さんは「呼び方一つで相手を不快にさせることもある。さん付けもあだ名も大切なのは相手への敬意。学校現場では、幼少期から相手を尊重することの大切さを教えてほしい」と話している。

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