1日200個の荷物・ガソリン代は自己負担…立場弱い宅配個人ドライバー「自由なんてない」

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 ネット通販の普及やコロナ禍の巣ごもり需要で宅配荷物が急増する中、運送会社が個人事業主のドライバーに宅配を業務委託する動きが拡大している。個人事業主は自由な働き方ができるのが利点とされる。しかし、その立場は弱く、厳しい労働実態が広がっている。(上田友也、松本裕平)

大量の段ボール箱が積み込まれた軽貨物車。ドライバーは、決まった時間内に配り終えることが求められる(4月、さいたま市で)
大量の段ボール箱が積み込まれた軽貨物車。ドライバーは、決まった時間内に配り終えることが求められる(4月、さいたま市で)

 個人ドライバーへの委託が広がったのは、2017年に起きた「宅配クライシス(危機)」と呼ばれる出来事がきっかけだ。

 00年代以降、ネット通販の荷物は右肩上がりで増え続け、宅配を担うドライバーの労働環境が悪化。残業代の未払いなどが問題になり、17年、最大手「ヤマト運輸」が取扱量を絞る総量規制や値上げに踏み切った。運送各社で社員の労働環境の改善が進む中、増え続ける荷物の受け皿になったのが個人ドライバーだ。

 業務委託は、企業が仕事を外部に発注することを指す。個人事業主に委託する場合、雇用関係がないため労働法令が適用されない。企業は社会保険料などを負担する必要がない。

 多くの運送会社が個人ドライバーに委託するようになり、19年には「アマゾンジャパン」も、直接個人に委託する「アマゾンフレックス」を始めた。

 コロナ禍の巣ごもり需要で主な宅配業者の取扱個数は20年度に48億個を突破。負担が個人ドライバーに重くのしかかっている。

安上がりな労働力としか見られていない

 個人事業主は企業と対等な立場で、委託された仕事をどのように進めるかは、自分の裁量で決められる。

 しかし、是正勧告を受けた「丸和運輸機関」(埼玉県吉川市)から業務委託されていた30歳代の男性は「荷物と時間に追われ、自由や裁量なんてない」と打ち明ける。

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