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北海道・知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部による捜査が28日、本格的に始まった。1管は今後、船体の損傷や計器類の状況などを調べ、沈没直前に何が起きたのか、解明していく。

国土交通省の現地対策本部は、カズワン船体を網走港(北海道網走市)に陸揚げした後、6月1日に乗客の家族らに公開すると明らかにした。
1管による船体の現場検証は、28日午後1時頃に始まった。運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)を立ち会わせ、約4時間30分かけて、損傷状況を確認するなどした。
1管は業務上過失致死容疑で捜査を進めている。捜査について、元第3管区海上保安本部長で日本水難救済会の遠山純司・常務理事は「沈没原因の究明が最大の焦点になる」と指摘する。
カズワンは消息を絶つ直前、「船首が浸水している」などと連絡したことがわかっている。遠山常務理事は「船底の損傷具合から、浸水の経緯が判明するのでは」とみている。
また、エンジンやスクリューの状態や、出力を調整する
遠山常務理事は「沈没に至った全容の解明が最優先だ。原因が特定できないと、捜査を進めることが難しくなる」と話している。
◆沈没原因の調査・捜査のポイント
▽船体の損傷などから浸水場所を特定
▽スクリュー、エンジンの状態などから沈没直前の運航状況を推測
▽船内にあったスマートフォンのGPS機能や時計から航跡や沈没時間を特定