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厚生労働省は、福祉サービスを利用する障害者が、企業での就労に円滑に移行できるよう、両者の橋渡し役となる人材の養成に乗り出す。

障害者の就労には、軽作業をする障害福祉サービスを利用するか、企業で働くか、大きく二つの選択肢がある。福祉分野での就労支援は、仕事を通じた生きがい作りや能力開発に重点が置かれている。担当者や障害者本人が企業で求められるスキルに関する知識などに乏しいことが多い。
逆に企業側の担当者は、仕事の切り分けなど障害者の就労に必要な配慮がわからないことが多い。
これまでは両者の縦割りが雇用拡大の壁になってきたが、両方の知識を身につけられる新たな研修を創設し、福祉の事業所などの担当者が必ず受けるようにする。早ければ2024年度にも導入する。
両方の事情に精通する人材を養成することで、障害福祉サービスの利用者が企業での就労を目指しやすい環境を整備するねらいがある。状態が悪化して企業で働けなくなった障害者が福祉サービスに移るケースにも、対応できるようにする。
新たな研修では、「就職や職場定着の支援の仕方」や「採用時に重視されること」などを対面やオンラインで学ぶ。研修期間は3日間程度を想定している。
「障害者就業・生活支援センター」や、就職のための訓練を行う「就労移行支援事業所」などの担当者ら約1万2000人の受講を見込む。業務を担当してから3年以内に必ず受講するようにし、対象者の拡大も検討する。
自宅で生活する18~64歳の障害者で、就労系の障害福祉サービスの利用者は約40万人、企業などで働く人は約60万人とされる。福祉サービスから企業に移行する人は年間約2万人にとどまる。