• 夢幻 第267回 上田秀人

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     織田信長を敵に回す。  一斉に蜂起したはずだった諸勢力の連携は、信長による個別切り崩しで、あっさりと崩壊した。  「冬になっては、国に帰れぬ」  越前から出てきていた朝倉義景は、信長の和睦を待っていたかのように引きあげ…
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  • 夢幻 第266回 上田秀人

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     大坂石山本願寺、阿波三好三人衆、越前朝倉、北近江浅井、伊勢長島一向一揆、比叡山、そして十五代足利将軍義昭。  織田信長と敵対している者は、多い。それぞれ事情が違い、行動にも差違がある。  信長はそこを突いた。  まず最…
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  • 夢幻 第265回 上田秀人

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     織田信長が浅井、朝倉を比叡山に封じていた十一月、長島城を落とした後静かにしていた長島一向一揆衆が、小木江(こきえ)城に大挙して押し寄せた。  「援軍を……いや、無理か」  小木江城には、信長の弟彦七郎信興(ひこしちろう…
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  • 夢幻 第264回 上田秀人

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     季節は冬に入った。  比叡山に逃げこんだ朝倉と、一度領地へ戻りふたたび侵出しようとしている浅井を抑え続けている織田軍にも疲労はたまってきている。  「兵糧攻めができぬ」  通常は籠城した敵を弱らせるために、兵糧に代表さ…
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  • 夢幻 第263回 上田秀人

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     石山本願寺の顕如が出した檄文は、すぐにその効力を発揮した。  「仏敵織田弾正忠を倒せ」  「悪鬼信長を祓(はら)え」  伊勢長島において一向一揆が蜂起したのだ。  普段はおとなしく田畑を耕していた百姓や、織田の勢いに降…
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  • 夢幻 第262回 上田秀人

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     今まで織田信長が一向宗ともめなかったのは、ただ信長が神仏に興味がなかったからにすぎない。  信長にとって、一向宗もキリシタンも同じであり、己の治世に口出ししてこなければ、どうでもいいとして相手にしていなかったからである…
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  • 夢幻 第261回 上田秀人

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     織田信長には悪い癖があった。  己の考えていることを周囲に語らないのだ。  古くは弟信行との確執も、信長の真意が伝わらなかったために起こったとも言える。兄弟の間でよく話をし、信長がなにを目指しているかを理解させていれば…
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  • 夢幻 第260回 上田秀人

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     石山本願寺が織田信長に牙を剥いたのは、九月十二日の夜半であった。  「信長上洛に就(つい)て、此の方迷惑せしめ候。去々年以来、難題を懸け申し付けて、随分なる扱ひ、彼の方に応じ候と雖(いえど)もその詮なく、破却すべきの由…
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  • 夢幻 第259回 上田秀人

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     近江を流れる姉川(あねがわ)を挟んで対峙した織田、徳川合同軍と浅井、朝倉連合軍が激突した。  当初優勢であった浅井、朝倉連合軍は、徳川家康の率いる三河兵に横っ腹を突かれたことで崩壊、敗走した。  だが、織田信長の勢いも…
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  • 夢幻 第258回 上田秀人

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     織田信長と足利義昭の仲は割れた。ひびが入ったというていどではなく、完全に溝ができた。  「恩を忘れた馬鹿が」  「将軍への敬意を持たぬ田舎侍め」  さすがに表だって罵り合いはしないが、裏では互いを蛇(だ)蝎(かつ)のご…
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  • 夢幻 第257回 上田秀人

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     朝廷はなんの力も持ってはいないが、大義名分でいけば、将軍を凌駕する。  「織田と和睦いたせ」  足利義昭が後ろで煽っても、正親町天皇がそう命じれば、朝倉も浅井も無理はできなくなる。  朝廷が信長の敵に回らなければ、まだ…
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  • 夢幻 第256回 上田秀人

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     押しこんだとはいえ、木ノ芽峠には、朝倉勢が厚い陣を敷いており、突破には手間がかかる。そこに後ろから浅井に襲いかかられてはたまらない。  「ここで討たれてやるわけにはいかぬ。池田民部大輔、殿(しんがり)をいたせ。藤(とう…
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  • 夢幻 第255回 上田秀人

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     金ガ崎城を落とした織田信長は、朝倉の本拠一(いち)乗(じょう)谷(だに)へ兵を進めるべく、軍勢の陣容を整えていた。  四月二十八日、昼過ぎに蒼白な顔色の伝令が信長のもとへ駆けこんできた。  「浅井備前守さま、寝返り」…
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  • 夢幻 第254回 上田秀人

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     殿中御掟で禁止されたからといって、足利義昭がおとなしくしているはずはなかった。  「躬が出せぬならば、他の者にさせればよい」  足利義昭は家臣たちに、諸大名への手紙を出させた。  「やはりか」  その動きを細川藤孝が織…
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  • 夢幻 第253回 上田秀人

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     殿中御掟追加五カ条、足利義昭はその内容に激怒したが、諸国の大名に動きはなく、洛中は織田家の支配下にある。  「ふざけるな」  拒否すれば、信長は足利義昭を見捨てる。  「二条御所を破却、国へ帰るぞ」  織田が京から消え…
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  • 夢幻 第252回 上田秀人 

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     永禄十三年(一五七〇)一月二十三日、織田信長はすでに出している殿中御掟に五カ条を追加した。  「御内書を出すときは、かならず信長の添え書きを付けること。今まで出された御内書の指図は無効とし、熟慮のうえ要るものだけを再達…
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  • 夢幻 第251回 上田秀人

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     足利義昭の愚挙に織田信長は怒った。  「なんのために、多くの兵を死なせ、おまえを将軍にしたと思っている」  さすがに面と向かって怒鳴りつけるわけにはいかない。  信長は足利義昭の家臣から、織田家へと鞍替えをした明智光秀…
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  • 夢幻 第250回 上田秀人

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     力は人を変える。  力を持つことで、責任ある立場に就くことで、人の上に立つだけの器量を示す者もいる。  だが、ほとんどの場合、力に立場に驕(おご)り、他者は虐げるものと思いこむ愚か者ばかりであった。  そして足利義昭は…
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  • 夢幻 第249回 上田秀人

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     織田家の周辺が落ち着いた。  国境で絶えず小競り合いを起こしている越前の朝倉家には浅井家が、今川義元なき今川家には三河の徳川が、防壁となってくれている。  信長は背後を気にしなくてよくなった。  「躬(み)の願いを、あ…
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  • 夢幻 第248回 上田秀人

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     桶狭間で今川義元の本陣を奇襲して、その首を獲り、勝利を手にした。  とはいえ、尾張はぼろぼろだった。これが織田と今川、真っ向勝負だったとしたら、勝った余勢をかって、三河へ攻めこみ、信長は領土を広げられた。  しかし、現…
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