• 夢幻 第248回 上田秀人

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     桶狭間で今川義元の本陣を奇襲して、その首を獲り、勝利を手にした。  とはいえ、尾張はぼろぼろだった。これが織田と今川、真っ向勝負だったとしたら、勝った余勢をかって、三河へ攻めこみ、信長は領土を広げられた。  しかし、現…
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  • 夢幻 第247回 上田秀人

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     織田信長の支配地はこれで本国の尾張、美濃、伊勢、志摩、近江の南半分となった。  完全に掌握したとは言いがたいところもあるが、それでも総石高は百五十万石近くになった。もう、尾張の田舎大名と馬鹿にできなくなっている。  そ…
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  • 夢幻 第246回 上田秀人

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     足利義昭から北畠は見逃してやれと言われても、織田信長にその気はなかった。  「織田の勢力を守るには、京を押さえ続けねばならず、そのためには周辺の国をすべて支配するしかない」  本圀寺が襲われたことで、信長はより一層その…
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  • 夢幻 第245回 上田秀人

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     足利義昭が北畠のことを気にするのは、将軍就任直後の早い時期に祝いの使者を寄こしたからである。  それに伊勢の名門が、足利義昭を将軍として立てたことも気に入った理由であった。  「呼びかけには応じなかったのにか」  足利…
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  • 夢幻 第244回 上田秀人

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     武士は戦う者である。  当たり前の話なのだが、偉くなれば戦場から遠ざかる。  かつて中国に覇を唱え、九州にもその手を伸ばした大内(おおうち)家が、その最たる例であった。  どこの大名でもそうだが、周囲を併呑して大きくな…
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  • 夢幻 第243回 上田秀人

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     堺が降伏し、一応三好三人衆の来襲を気にしなくてもすむようになった永禄十二年四月、二条御所が完成した。  着工からわずか七十日という短期間で、四町四方(約十六万平方メートル)、二重の濠と三重の櫓(やぐら)を備えた堅固な城…
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  • 夢幻 第242回 上田秀人

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     織田信長は本圀寺が襲われた衝撃が抜け切れていない永禄十二年(一五六九)一月十四日、殿中御掟九カ条を作成、足利義昭に遵守を求めた。  「よろしかろう」  信長のお陰で生き残った足利義昭はすんなりと認めた。  提示された九…
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  • 夢幻 第241回 上田秀人

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     織田信長は足利義昭の御内書(ごないしょ)に添え書きをした。各地の大名に、上京して将軍家と朝廷に供奉せよとの内容で、一目では足利義昭のものと同じように見える。  だが、信長の手紙には足利義昭のものにはない朝廷への奉仕が記…
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  • 夢幻 第240回 上田秀人

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     堺を攻めている間に織田信長は足利義昭の動きを規制しようとした。  将軍となった足利義昭は、各地の大名に手紙を送り、上洛を命じると同時に、軍勢の貸し出しを求めたのだ。  かつて足利将軍家は全国に荘園を持っていたうえ、勘合…
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  • 夢幻 第239回 上田秀人

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     美濃を放り出して京へ出てきた織田信長は、八つ当たりとばかりに周囲へ喧嘩を売りまくった。  すでに去年矢銭五千貫を納めている石山本願寺を前例として、信長は畿内の有力な寺社や商人に金を要求した。  「二万貫じゃ」  信長は…
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  • 夢幻 第238回 上田秀人

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     京に入った織田信長は、まず足利義昭に拝謁、その無事を確認した。  「父よ、よく来てくれた」  上洛を成功させたときから、足利義昭は信長を父と呼んで頼りにしていた。  「御身に危難をお近づけ申しましたこと、幾重にもお詫び…
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  • 夢幻 第237回 上田秀人

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     本圀寺を襲った三好三人衆と一色龍興は、あと一歩足りなかった。  たしかに、征夷大将軍となった足利義昭を守るという固い意志を持った若狭衆、織田信長から兵を預けられていた明智光秀らの奮戦もあったが、それでも五倍からの軍勢を…
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  • 夢幻 第236回 上田秀人

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     三好三人衆に一色龍興を加えた一万の軍勢は、一月三日に京へ入っていた。  摂津高槻(たかつき)城主入江春継(いりえはるつぐ)が三好に通じ、軍勢を通したのだ。  「我らに従い、織田を討てとの命を出されよ」  三好三人衆は足…
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  • 夢幻 第235回 上田秀人

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     永禄十二年(一五六九)の正月行事がようやく終わった一月六日、岐阜城へ京からの急報がもたらされた。  「本圀寺に三好が」  「なんじゃと」  危惧していた状況に、織田信長は憤った。  「摂津の連中はなにをしていた。ええい…
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  • 夢幻 第234回 上田秀人

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     京から戻った織田信長は、雑事を片付け、正月を岐阜で迎えた。  「おめでとうございまする」  代々織田家の正月は厳格に順序が決められていた。  まずは信長の生母土田御前が、続いて正室鷺山殿こと帰蝶が挨拶をする。  「父上…
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  • 夢幻 第233回 上田秀人

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     京へ足利義昭を届けた。それで織田信長の仕事は終わったも同然であったが、ではと帰るわけにはいかなかった。  もともと畿内は三好家の勢力が強い。  今、織田信長が軍勢を率いて、美濃へ戻れば、明日にでも三好が足利義昭を襲う。…
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  • 夢幻 第232回 上田秀人

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     明智光秀は三好の襲来を摂津からと予想した。  「まず、摂津の守護として和田さまを」  「よいのか、和田は甲賀(こうか)の出であろう。摂津に縁などあるまい」  明智光秀の案に織田信長が危惧を覚えた。  土地に執着する武士…
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  • 夢幻 第231回 上田秀人

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     山科言継の要求は、朝廷の安全であった。  「足利義昭を討たせるわけにはいかない」  武家の頭領として君臨する足利将軍家だが、自前の軍勢を保持してはいない。  家臣も三淵藤英(みつぶちふじひで)、細川藤孝(ふじたか)の兄…
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  • 夢幻 第230回 上田秀人

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     天皇への崇敬、将軍への忠義。  日の本の武士ならば、全員が持っていなければならないものであった。  しかし、その両方が危うくなっていた。  そもそも天皇への崇敬は、国人以上、大名ぐらいでないと明確な形を取ってはいなかっ…
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  • 夢幻 第229回 上田秀人

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     今の世の乱れは、過去の朝廷に原因があると織田信長に言われた山科言継が肩を落とした。  「上総介よ。なんとかならぬか。たしかに我らの先祖が悪いと認めるゆえ。主上さまはなにもご存じではなく、ただひたすら天下の安寧を願ってお…
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