• 任侠シネマ 第292回 今野敏 

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     「個別に話を聞いてみると、映画館をなくしたくないという声が多数派だったのです。『千住興業』がただの不動産業者なら就職はしなかった、などと言う者もおりました。いや、まさに阿岐本さんがおっしゃったとおりでした」  「それで…
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  • 任侠シネマ 第291回 今野敏

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     増原社長が席を立ち、ソファのほうにやってくると、阿岐本が日村に言った。  「おめえも、座んな」  つまり、シノギではないということだ。  「失礼します」  増原が座ったタイミングで、日村はそう言って、阿岐本の隣に腰を下…
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  • 任侠シネマ 第290回 今野敏

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     『千住興業』に着いたのは、午後三時四十五分頃のことだ。すぐに社長室に通された。  増原社長は、何かの打ち合わせの最中だったが、阿岐本と日村の到着を知ると、すぐに打ち合わせを中止した。  「最優先」の言葉は嘘ではなかった…
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  • 任侠シネマ 第289回 今野敏

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     「増原社長ですか?」  「ああ。アポを取ってくれ」  「わかりました」  「おめえもいっしょに来な」  「はい」  日村は、組長室を出て、すぐに増原に電話をした。  「増原です。日村さんですね」  「すいません。阿岐本…
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  • 任侠シネマ 第288回 今野敏

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     「ん……? そいつは何の話だ?」  「『千住興業』です。専用の役員車を使っているのは、社長の増原さんと犬塚常務だけなんです。そして、犬塚常務だけが銀座の割烹で会食をしたり、クラブで飲んだりしているようなのです」  「ふ…
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  • 任侠シネマ 第287回 今野敏

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     そう言えば、テツも懇談会がどうのという話をしていた。  「そんな不確かな話なのに、梅中仁志が『サイバーオン』を動かすんですか?」  「ああいうやつらはな、少しでも金のにおいがすれば、水面下で動きはじめるんだ。出遅れたら…
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  • 任侠シネマ 第286回 今野敏

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    20  昼飯の後は、事務所内はいたって平穏だった。電話も鳴らない。テツだけがさかんにマウスを動かし、キーボードで何かを打ち込んでいる。  日村は寝不足なので、眠くなってきた。居眠りしても、若い衆たちは何も言わないだろうが…
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  • 任侠シネマ 第285回 今野敏

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     甘糟が出ていってしばらくすると、健一とテツが戻って来た。  日村は言った。  「ごくろうだったな」  健一が言った。  「張り込みはもう必要ないということですか?」  「ああ。オヤジがそう言っている」  テツは席に着く…
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  • 任侠シネマ 第284回 今野敏

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     疑問に思いながら、日村はさらに言った。  「そういった打ち合わせをしていたわけです」  甘糟は思案顔になって言った。  「それじゃまるで、まともな打ち合わせじゃないか」  「まるでって、何ですか。まともな打ち合わせです…
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  • 任侠シネマ 第283回 今野敏

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     「でも、六〇年代とかは、日本人は今より働いていたと思いますが、映画館はたくさんあったし、混んでたそうですよ」  「そんな昔のこと、俺は知らないよ。その時代、ビデオも普及していないし、ましてやネットなんてなかったからね。…
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  • 任侠シネマ 第282回 今野敏

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     「うちの代表は、直すべきはファンの会だろうと言うわけです。それで、船渡川さんと打ち合わせをしたわけです」  「わからないな。ファンの会を変えれば、映画館の経営が上向くわけ?」  「まあ、そう単純じゃないんですがね……」…
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  • 任侠シネマ 第281回 今野敏

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     「それはお話しする必要はないでしょう」  「隠し立てするとろくなことはないよ」  「別に隠し立てするわけじゃないですよ。甘糟さんは、興味を持たれないと思っただけです」  「俺が興味を持つかどうかなんて、あんたにわかるわ…
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  • 任侠シネマ 第280回 今野敏

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     日村は確かめるように言った。  「そうなんですね?」  「誰もそんなこと、言ってないじゃないか」  「おっしゃらなくても、わかりますよ。仙川係長がどうされました?」  「なんか、すごいやる気になってるんだよね。特に、あ…
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  • 任侠シネマ 第279回 今野敏

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     「ええ。香苗が船渡川さんを引っぱってきたんです」  「何それ……。どういうこと?」  「どうもこうも、それが事実です」  「だからさ、その船渡川って人、何者なの?」  「『千住シネマ・ファンの会』の会長さんです」  「…
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  • 任侠シネマ 第278回 今野敏

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     「それに、ですね」  「何?」  「彼女の名前は、坂本香苗です。ご存じのはずですよね。彼女から直接話を聞かれているはずです」  「名前は知ってるよ」  「じゃあ、女子校生なんて言い方はしないほうがいいんじゃないですか」…
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  • 任侠シネマ 第277回 今野敏

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     日村は甘糟に言った。  「まあ、こっちに来て、座ってください」  「長居するつもりはないから、いいよ。あ、お茶なんかいらないからね。マルBの事務所でお茶を飲んでるとか、噂になるとやばいからね」  「そうはおっしゃいます…
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  • 任侠シネマ 第276回 今野敏

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     「え、代貸が……」  「オヤジがそうしろと言うんだ」  「あ、わかりました」  オヤジのせいにするのはずるいかもしれない。だが、そう言ったことは事実だ。  「それからな、健一たちを呼び戻せ。張り込みはもういい」  「は…
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  • 任侠シネマ 第275回 今野敏

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     「なら、やらせればいい」  「武井は、かつて稔たちのグループと敵対関係にあったようなんですが……」  「おめえは心配性だな。本人がやりてえって言ってるんだから、任せときゃいいだろう」  「はあ……。それはそうなんですが…
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  • 任侠シネマ 第274回 今野敏

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     「犬塚常務と『サイバーオン』の木島のつながりが明らかになりました。昨夜、銀座の割烹で会食をしていたそうです」  「ふうん。犬塚、梅中仁志、『サイバーオン』木島は、グルで間違えねえってことだな」  「はい。そう考えていい…
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  • 任侠シネマ 第273回 今野敏

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     いつもは、昼過ぎまで上の自宅にいる阿岐本が、十一時過ぎに事務所に下りてきた。組長室に向かったので、日村はそれを追った。  「今、よろしいですか?」  「ああ、入えんな」  組長室に入ると、すぐに稔が茶を持ってきた。阿岐…
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