• 任侠シネマ 第275回 今野敏

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     「なら、やらせればいい」  「武井は、かつて稔たちのグループと敵対関係にあったようなんですが……」  「おめえは心配性だな。本人がやりてえって言ってるんだから、任せときゃいいだろう」  「はあ……。それはそうなんですが…
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  • 任侠シネマ 第274回 今野敏

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     「犬塚常務と『サイバーオン』の木島のつながりが明らかになりました。昨夜、銀座の割烹で会食をしていたそうです」  「ふうん。犬塚、梅中仁志、『サイバーオン』木島は、グルで間違えねえってことだな」  「はい。そう考えていい…
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  • 任侠シネマ 第273回 今野敏

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     いつもは、昼過ぎまで上の自宅にいる阿岐本が、十一時過ぎに事務所に下りてきた。組長室に向かったので、日村はそれを追った。  「今、よろしいですか?」  「ああ、入えんな」  組長室に入ると、すぐに稔が茶を持ってきた。阿岐…
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  • 任侠シネマ 第272回 今野敏

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     「例の半グレか?」  「今夜あたり、様子を見にいってこようと思うんですが」  「渋谷の店を根城にしているということだったな」  「はい」  「敵対していたんだろう? のこのこ顔を出してだいじょうぶか?」  「そこはうま…
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  • 任侠シネマ 第271回 今野敏

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    19  「あ、代貸、事務所に泊まられたんですか?」  朝、事務所にやってきた真吉が目を丸くした。  ソファから起き上がった日村は言った。  「ああ。俺が当番だ」  「そんな……。自分に言ってくれれば……」  次に事務所に…
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  • 任侠シネマ 第270回 今野敏

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     電話が振動した。永神からだ。  何かあったのだろうか。  「はい、日村です」  「おう、誠司」  「オジキ、どうされました?」  「いや、別に何があったというわけじゃねえんだがな……。さっき、ちょっと言い忘れたことがあ…
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  • 任侠シネマ 第269回 今野敏

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     定席のソファに腰を下ろしたまま、日村は事務所の天井をぼんやりと眺めていた。  事務所で一人きりになることなど、滅多にない。たいていは誰か若い衆がいる。こうして座っていると、昔のことを思い出す。  よく事務所の掃除をした…
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  • 任侠シネマ 第268回 今野敏

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     「ええ。たぶん、『サイバーオン』の社長だと思います。写真を撮ったので、後で確認しようと思います」  「その確認は明日でいい。とにかく、もう帰れ」  「わかりました。そうします」  「稔はいるか?」  「はい、代わります…
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  • 任侠シネマ 第267回 今野敏

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     「わかった。こっちでも調べてみる。それで、半グレのほうはどうなんだ? 稔が知っているやつなんだろう?」  「稔が独自に調べていますが、なんせ犬塚常務の張り込みもやらなけりゃならないんで……」  「何かわかったら、また知…
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  • 任侠シネマ 第266回 今野敏

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     「おう、誠司か。どうした?」  周囲が賑やかだ。  「今、電話、だいじょうぶですか?」  「ああ。六本木のクラブにいるんだ」  「かけ直しましょうか?」  「いや。移動するから、ちょっと待て」  しばらく待つと、静かに…
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  • 任侠シネマ 第265回 今野敏

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     「だから、映画館なんだよ」  「は……?」  「自分の家で、DVDだのネット配信だので映画を観たって、そいつは日常の延長なんだ。だから、映画館に足を運んでしばし日常を忘れるってことだ」  「あ……」  日村は言った。「…
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  • 任侠シネマ 第264回 今野敏

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     そうなのだろうか。  日村が黙っていると、阿岐本は続けて言った。  「俺はさ、さっきテツの話を聞いて、感動したんだ」  「感動ですか?」  「大げさに言うとな、人は何のために生きてるかって話だ」  「はあ……」  それ…
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  • 任侠シネマ 第263回 今野敏

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     「はい」  「おめえの悪いところはそれだよ」  「はあ……」  それって、何のことだろう……。  「おめえは、何でもかんでも、こうしなきゃならねえとか、こうあるべきだとか、考えるだろう」  「そうでしょうか……」  自…
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  • 任侠シネマ 第262回 今野敏

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     「そうだな。『千住興業』が自分とこから金借りて、不採算部門の映画館にしがみついてほしいわけだ。映画館をやるには、今の社屋が必要だからな。そのうちに、さらに左前になっていって、いずれ土地ごと社屋を手に入れられたら御の字……
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  • 任侠シネマ 第261回 今野敏

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     「梅中仁志のやつは、その開発話を知っていたんだな……。政府との太いパイプを持っているようだから、やつがそういう情報を知っていても不思議はねえ」  「そして、その情報をもとに、自分が相談役をやっている『サイバーオン』を儲…
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  • 任侠シネマ 第260回 今野敏

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     「事務所には誰かいるのか?」  「真吉と稔は、張り込みです。健一とテツは帰らせました」  「じゃあ、おめえ一人だな?」  「はい」  「じゃあ、下りていく。ちょっと待っててくれ」  「はい」  電話が切れた。  それか…
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  • 任侠シネマ 第259回 今野敏

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     いくら働けと言っても無駄なやつもいるし、働くなと言っても仕事をしたがるやつもいる。  健一とテツが出ていき、事務所で一人になると、日村は阿岐本に電話した。  帰宅してから電話をすると嫌がられるかもしれない。それでも、大…
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  • 任侠シネマ 第258回 今野敏

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     懇談会の出席者の一人の談話という形で短い文章が掲載されている。その中に、たしかに「北千住再開発」という言葉がある。  日村は何度かその文章を読んで言った。  「これだけじゃ何のことかわからないな」  テツは何も言わない…
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  • 任侠シネマ 第257回 今野敏

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     日村は尋ねた。  「どうした?」  「ええと……」  テツは日村の顔を見つめた。何を考えているのかさっぱりわからない。  「何か見つけたのか?」  テツがこたえる。  「都市局都市再開発課なんですが……」  「トシキョ…
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  • 任侠シネマ 第256回 今野敏

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    18  午後九時過ぎに食事を終えて、香苗と船渡川が事務所を出ていった。それから、ほどなく、阿岐本も上の階の自宅に戻った。  テツはまたパソコンに向かっている。  日村はその姿を眺めながら思った。  やっぱりこいつはたいし…
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