任侠シネマ 第24回 今野敏

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 永神は甘糟を一瞥し、日村に言った。

 「この人、たしか北綾瀬署のマル暴だよな。取り込み中か?」

 「いえ、話は終わりました」

 そう言いながら、日村はしまったと思っていた。

 永神と甘糟が鉢合わせするとは思っていなかった。だが、当然そこまで考えるべきだった。

 永神が阿岐本に会いに来たことを知った甘糟は、そのことを署に帰って報告するだろう。いろいろと詮索されることになるかもしれない。

 永神が来ることを知っていながら、甘糟を事務所に呼びつけた自分の愚かさに、日村は舌打ちした。

 甘糟は戸口で何か言いたそうにしていた。きっと永神がやってきた理由を問いたかったのだろう。だが、結局彼は何も言わず事務所を出て行った。

 永神が言った。

 「マル暴が何の用だって?」

 「いえ……。こちらから話があったので、来てもらったんです」

 「何の話だ?」

 「最近、警察が地元の飲食店なんかに、排除条例について指導に入ったらしいんです」

 「排除条例についての指導?」

 「暴力団と契約を結んではいけない、とか……」

 「ああ、ピザの配達もダメってやつか。実際にそんなことはねえんだがな」

 「過剰反応する店も出てくるんじゃないかと……」

※転載、複製を禁じます

448610 1 任俠シネマ 2019/02/24 05:20:00 2019/02/24 05:20:00

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