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オリンピックにふれる

  • オリンピックにふれる 第6回 吉田修一

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     母からの電話を切ると、心配そうな妻が祈るように手を合わせていた。妻にも内容は伝わっていたようで、「結局、こういう時に苦しむのは真面目な人たちなのよね。法律作った当人たちは、こっそり遊び回ってるっていうのに」と視線を落と…
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  • オリンピックにふれる 第5回 吉田修一

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     「藤井くん、東京で最初に住んだのがこの国立競技場の近くだったんですって」 宮本が作業服の若者のスマホでチラチラと開会式を盗み見しながら教えてくれる。 コンビニの冷房で汗もだいぶ引いた。白瀬はアイスコーヒーを一息に飲んだ…
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  • オリンピックにふれる 第4回 吉田修一

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     東京湾沿岸の街がどこもそうであるように、藤井が暮らす街もまた埋立地の開けた景色の中、まっすぐに伸びた道路をダンプカーが行き交い、その先では目隠しのように高速湾岸線の高架が肝心の東京湾を塞いでいた。 祝日の今日、白瀬は夕…
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  • オリンピックにふれる 第3回 吉田修一

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     部下の藤井が無断欠勤したのは、この翌日だった。休日出勤の日だったため、忘れているのかもしれないと午前中は笑い話にしていたのだが、午後になっても連絡がつかなかった。 「本当に昨日、帰りの電車で藤井くんに変わったところなか…
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  • オリンピックにふれる 第2回 吉田修一

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     次の駅で降りる藤井が、「お疲れ様でした」とドアの方に行きかけ、「辰巳でもオリンピックやりますよね?」と振り返る。 「やるな。水泳とか水球とか」  「白瀬さん、何か 観 ( み ) に行く予定あったんですか、オリンピック…
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  • オリンピックにふれる 第1回 吉田修一

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     ふと思う。東京とは、一体どこにあるのだろうかと。 もちろん47都道府県の一つで、日本の首都。地図を広げられれば、「ここが東京です」と自信を持って指は差せる。 ただ、「やっぱり東京はいいよ」とか「考えてみれば東京に出てき…
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