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タラント

  • タラント 第177回 角田光代

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     「そうやろ。そうか、うどんをな」清美の背後にいるみのりは、清美がどんな表情でいるのかわからない。 「きーちゃん、私ぜったい来年パラに出るから、そしたら応援にきてくれる?」涼花が言い、 「パラリンピックに出るんか」清美が…
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  • タラント 第176回 角田光代

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     練習会ってなんだろうと思いながらみのりは引き戸を開け、「じいちゃーん、お客さんやで」と廊下の奥に向かって叫ぶ。食堂の入り口から祖母が顔を出す。 「じいちゃんに、東京からお客さん。寝とる?」 祖母の笛子は食堂から出てきて…
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  • タラント 第175回 角田光代

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     みのりは思わず立ち上がる。 「あっ、じいちゃん、向かいの家にいます、わた、私が連れてきます、あっ、うどん食べてからでええですか」へどもどしながらみのりは言う。残りのうどんを大急ぎですする。 「持丸さんってあの、陸上選手…
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  • タラント 第174回 角田光代

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     清美は目を閉じたままさらに小刻みにうなずき、ふっと息を漏らして笑う。 「電気消しとくな」みのりは言い、明かりを消して部屋を出て、「おばあちゃん、おやすみ」と声をかけ、祖父母宅を飛び出た。一刻も早く陸に知らせたかった。…
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  • タラント 第173回 角田光代

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     食事を終えても清美と笛子はそのままテレビを見続けている。祖母が涼花のことを知っているのかいないのか判断がつきかねて、みのりはなかなか言い出せず、流しで食器を洗い、流し自体を掃除し、汚れたガスレンジを拭いていく。 ようや…
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  • タラント 第172回 角田光代

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     「そしたらもう誘わない。いきとうないってことやと思う」 「それやったら、しょうがないな」陸はうなずく。 「陸、どうすんな? じいちゃんちに寄ってく? いぬ?」 訊(き)くと、帰ると陸が言うので、みのりは陸とともにタクシ…
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  • タラント 第171回 角田光代

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     「たぶんあの人だろうって人はおったよ」 「そら、見たかったなあ。学校なんかいかんかったらよかった」と陸が言うので、 「いや、学校はいったほうがよかったよ」あわててみのりは言う。「それにしても、なんかすごいな、いろいろ」…
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  • タラント 第170回 角田光代

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     彼女が義足ではないほうの足で踏みこみ、ひらりと跳び上がるとき、なぜかみのりはこの町を出ていく十八歳のときのことを、ふっと思い出した。出ていくんだというあの気持ち。 きれいに跳んだかに見えたのに、バーはぐらりと揺れて、彼…
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  • タラント 第169回 角田光代

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     気がつくと、走り高跳びの器具のあたりに選手たちが集まっている。みのりはよく見るために近くに移動する。選手たちは、空いているトラックを思い思いに走ったり、ジャンプをしたりしている。その後、みんなばらばらに、バーの前でジャ…
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  • タラント 第168回 角田光代

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     スタンドには、数少ないが、みのりのように見学をしている人もいる。カメラを構えた人もいるが、メディアの取材ではないようだ。 準備運動を終えた一団はコーチらしき人たちとともにこちらに向かって歩いてくる。みのりのすぐ下で、走…
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  • タラント 第167回 角田光代

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     「だれが参加しとるか……、あ、持丸涼花さんという走り高跳びの方がきているか、知りたいんやけど」みのりは訊(き)くが、 「ああ、ごめんなさい、参加選手は私たちにはわからないんです、ただの手伝いなんで」と彼女は申し訳なさそ…
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  • タラント 第166回 角田光代

    会員限定
     みのりは陸からの報告ラインを見て考えた。水曜日に見学にいって、もし可能であれば、持丸涼花選手が参加しているかどうか、彼女の練習を見ることができるかどうか、スタッフかだれかに訊(き)いてみる。彼女が実際にきていて、練習の…
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  • タラント 第165回 角田光代

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     第六感が、例によってお告げ的なものを感じている、とみのりは思う。不思議につながっているときは何かある。きっと涼花は合宿に参加するし、陸は彼女に会えるような気がする。自分もそこにいかなければいけないような気も、みのりには…
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  • タラント 第164回 角田光代

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     既読マークがつくが、返信はなかなかこず、電車を乗り換えたあたりでようやくきた。 なかなか返事がこへんから聞きとうないのかと思ったやん。あんな、持丸涼花が高松にくるかもしれん! え? ほんま? なんで? じいちゃんに会い…
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  • タラント 第163回 角田光代

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    あらすじ 香川のうどん屋が実家のみのりは、大学進学とともに上京し、ボランティア活動に熱中。現在は結婚し、洋菓子店で働く。地元に住むおいの陸とのやりとりから、パラ陸上に興味を持つ。          ◇涼花という人が祖父の…
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  • タラント 第162回 角田光代

    会員限定
     「私も見てみたいな、どんなところなのか」それでつい、みのりはそんなふうに言った。 「いきますか、文殊チームでヨルダンへ」ムーミンが笑う。 「文殊チーム、なつかしい」玲が笑う。 あらたなワインがまた運ばれてきて、パエリア…
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  • タラント 第161回 角田光代

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     「でも賛同する人はいると思いますよ。私のところの支援者にも、いろんなかたちでサポートしてくれる文化人の人たちは多いです」とムーミンが言う。 テラス席のあるバルは、店内もテラスもほぼ埋まっている。笑い声がはじけ、日本人ス…
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  • タラント 第160回 角田光代

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     ヨルダンにいこうと思っていると玲が言ったのは、二〇〇七年の秋だった。夏の終わりに、夏休みを利用してインドのボランティアツアーに参加したみのりは、その興奮をだれかに伝えたくて、おみやげを渡すという趣旨で玲とムーミンに声を…
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  • タラント 第159回 角田光代

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     そうしたい使命感があるというより、学生時代にやったことを、思い出にしたくない気持ちがあった。 翔太とは、望むように恋人同士にはなれなかったけれど、みのりには二度ほど彼氏もできた。しかし、大学ではじめて親しくなった早穂に…
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  • タラント 第158回 角田光代

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     玲自身が言っていたとおり、本が一冊出たからといって、すぐに次の仕事が舞いこんでくるわけでもなさそうだった。ときどき、小学校や中学校、図書館の催しなどに呼ばれて、世界各国の子どもたちについての講演をするようになったが、玲…
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