カーディ少年と暁の天使

  • カーディ少年と暁の天使 第132回 茅田砂胡

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     エリクソン氏がからかうような口調で言った。 「家内は美味しいものに眼がなくてね。お嬢さんにご無理を言ったのでなければいいんですが……」 「まあ、バーニー、ひどいわ。わたしがたいへんな食いしん坊みたいじゃないの」 妻がわ…
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  • カーディ少年と暁の天使 第131回 茅田砂胡

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     振り返ると、もう一台の昇降機から、ジャンヌと年配の夫妻が降りてくるところだった。 ジャンヌはもう五十歳に近いはずだが、子どもがいないせいか、実に若々しい。今日はきちんと髪を結い上げ、黒のロングドレスがよく似合っている。…
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  • カーディ少年と暁の天使 第130回 茅田砂胡

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     何度もこの建物を訪れているが、客室に入るのは初めてである。入ってみると、かなりの広さのある続き部屋だった。 隠れ家ホテルを目指しているだけあって、華美(かび)な装飾は一切ない。ぎりぎりまで無駄(むだ)を省(はぶ)いた室…
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  • カーディ少年と暁の天使 第129回 茅田砂胡

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     通話を切って、再び娘に連絡し、今夜七時に席が取れたことを告げると、ジャンヌは大喜びだった。 「ありがとう。お父さまが同席してくださるなんて、ご夫妻もきっと喜ぶわ」 共和宇宙で十本の指に入る投資家のパラデューに近づきたが…
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  • カーディ少年と暁の天使 第128回 茅田砂胡

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     「今日はいらっしゃるんじゃないかと思ってました。―― 一人はあなたとして、他の三人は?」 「娘と娘の友人のエリクソンご夫妻だ。どうしてもテオの料理を食べたいと希望(きぼう)されているらしくてな。――何とかなるかね?」…
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  • カーディ少年と暁の天使 第127回 茅田砂胡

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     「皆さん、何かの誓約書(せいやくしょ)に署名した関係で、あまり詳しくは語ってくださらないけれど、お義兄さんのお料理の素晴(すば)らしさは疑いようもないことですって。一流紙に論評の連載をお持ちの有識者の方は店名を伏せた上…
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  • カーディ少年と暁の天使 第126回 茅田砂胡

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     バーニー・エリクソンはかなりの資産家ではあるが、実業家ではない。もともと裕福な家柄(いえがら)で、大地主で大株主でもあるのだが、それらの管理はすべて人に任せ、何もしなくても毎年莫大(ばくだい)な収入が入ってくるという結…
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  • カーディ少年と暁の天使 第125回 茅田砂胡

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     恐らく秘書に連絡して、パラデューがこの時間に戻ることを聞いたのだろう。 「お義兄(にい)さんがこちらに来ているそうね」 「ああ。どこで聞いたんだね」 「お義兄さんのお料理をいただいたという人の話を聞いたのよ。奇跡のよう…
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  • カーディ少年と暁の天使 第124回 茅田砂胡

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     すがりつくような様子の弟子たちに、二人の大物料理人は謎めいた笑みとともに助言をした。 「きみたちが本当に美味しいと思うもの、食べたいと思うものは何なのかということです」 「そうさ。それが料理の基本だぜ。お客の好みを考え…
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  • カーディ少年と暁の天使 第123回 茅田砂胡

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     「わたしも台詞(せりふ)を取られましたね。――バートくん。これがきみの実力だとは思えません。以前にきみの料理を食べた時はこんなことはなかったはずです」 ザックは豪快(ごうかい)な人なので、若い二人に向かって、ずばりと言…
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  • カーディ少年と暁の天使 第122回 茅田砂胡

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     チャールズは嘆息(たんそく)して、弟子たちに向き直った。 「――さて。せっかく来たのですから、きみたちの料理を食べさせてもらえますか?」 「はい!」 バートが急いで新たな魚を火に掛ける。 『きみ』ではなく『きみたち』と…
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  • カーディ少年と暁の天使 第121回 茅田砂胡

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     同じと言われても困るのだが、リィは二人を見て、悪戯(いたずら)っぽく笑ってみせた。 「テオはたぶん、おれの名前を覚えられないんだよ。何しろ、おれとシェラのことは『変な餓鬼(がき)ども』で、ルーファのことは『変な若造』っ…
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  • カーディ少年と暁の天使 第120回 茅田砂胡

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     少年は足取りも軽く作業台の周りを移動しながら、皮を剥いでいった。急ぐ様子はない。至って簡単にやっているように見えるが、この手際の良さは尋常ではない。 ザックは肉料理を得意としているだけに、猟師の知人もたくさんいる。中に…
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  • カーディ少年と暁の天使 第119回 茅田砂胡

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     「だけっていうけど、その点に関しては、自分より上手(うま)いってテオドールさんは思ったんじゃない?」 とんでもない爆弾を投げつけて、ルウはあっさり言ったのだ。 「論より証拠、百聞は一見に如(し)かずだ。さっきの猪、解体…
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  • カーディ少年と暁の天使 第118回 茅田砂胡

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     「ただいま。――いらっしゃい、チャールズさん。お店は大丈夫なんですか?」 ルウが尋ねると、少年たちも笑顔で挨(あい)拶(さつ)した。 「こんにちは、チャーリーおじさん」 「先日のお魚料理は本当に美味しかったです」 「……
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  • カーディ少年と暁の天使 第117回 茅田砂胡

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     早めの昼食を済ませて、後片付けをしている時、若手の一人ルパートは、こっそりアドルフに囁(ささや)いた。 「……あの二人の立場でなくてよかったと思うよ」 「……俺もだ。考えただけで胃が痛くなる」 他の面々もまったく同感だ…
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  • カーディ少年と暁の天使 第116回 茅田砂胡

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     「むしろ、レベルは相当高いぜ。そんじょそこらの店じゃあ、この料理は出せないだろう」 決して世辞や追(つい)従(しょう)で言っているのではなかった。 二人の料理が『売り物になる』水準に達していることは疑う余地がない。 し…
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  • カーディ少年と暁の天使 第115回 茅田砂胡

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     試作品を兼ねた皆の分の昼食をつくりながら――仕事中に私用で携帯端末を使うのは本当はいけないのだが――とても黙っていられなくて、それぞれの師匠宛に通信文を送信した。 しかし、彼らが慌ただしく打った文章は、二人の激しい衝撃…
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  • カーディ少年と暁の天使 第114回 茅田砂胡

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     空いた作業台を、カトリンが片付けた。 彼女は料理人ではないが、連邦大学の店では雑用全般を担当している。言われなくても、何をすればいいのか飲み込んでいるのだ。 空になった保管容器を隅々まできれいに掃除(そうじ)して、従業…
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