カーディ少年と暁の天使 第1回 茅田砂胡
完了しました
レゴン州コートニーの緑豊かな山腹に、
山の中だが、家の周りには草むらの平地が広がり、放し飼いの
アガサ・マーシャルは夫を亡くして以来、この家で一人で暮らしていた。
アガサの朝は早い。夜明けと同時に山に分け入り
夫の年金があるので、ほぼ自給自足の生活でも、暮らしぶりには余裕がある。時には町へ出て、友人たちとのおしゃべりや買い物を楽しんでいる。
とはいえ、日常的に人と会うことはほとんどない。
そんなアガサの生活に、ここ数日、変化が生じていた。
朝の九時頃、
「今日の分の卵をいただきに参りました」
「はい。用意できていますよ。――あら?」
アガサは笑顔で運送業者を迎えたが、ちょっと
「昨日までの方とは違うのね?」
この二日間、同じ顔ぶれの二人が家に来ていた。
二人ともまだ二十代と若く、中背で、肉体労働にしても、がっしりした