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カーディ少年と暁の天使 第1回 茅田砂胡

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 レゴン州コートニーの緑豊かな山腹に、一軒(いっけん)、ぽつんと小さな家が建っている。

 山の中だが、家の周りには草むらの平地が広がり、放し飼いの(とり)たちが草や虫を()んでいる。

 アガサ・マーシャルは夫を亡くして以来、この家で一人で暮らしていた。

 アガサの朝は早い。夜明けと同時に山に分け入り山菜(さんさい)()み、香草の畑と鶏の世話をするのが日課だ。

 夫の年金があるので、ほぼ自給自足の生活でも、暮らしぶりには余裕がある。時には町へ出て、友人たちとのおしゃべりや買い物を楽しんでいる。

 とはいえ、日常的に人と会うことはほとんどない。

 そんなアガサの生活に、ここ数日、変化が生じていた。

 朝の九時頃、屈強(くっきょう)な男たちが礼儀(れいぎ)正しく、彼女の小さな家を訪れた。

 「今日の分の卵をいただきに参りました」

 「はい。用意できていますよ。――あら?」

 アガサは笑顔で運送業者を迎えたが、ちょっと戸惑(とまど)い顔になった。

 「昨日までの方とは違うのね?」

 この二日間、同じ顔ぶれの二人が家に来ていた。

 二人ともまだ二十代と若く、中背で、肉体労働にしても、がっしりした体躯(たいく)で、無愛想に見えるほど表情が動かず、目つきも鋭い。

無断転載・複製を禁じます
1132132 0 カーディ少年と暁の天使 2020/04/01 05:20:00 2020/08/06 16:18:12 2020/08/06 16:18:12

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