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カーディ少年と暁の天使

  • カーディ少年と暁の天使 第288回 茅田砂胡

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     複製画とは最初から考えなかった。複製にあんな厳重な錠は必要ない。 何より現在、この店は『テオドール・ダナー』だ。 彼は店に複製は置かない。 「ルウ……」 「天使……」 二人は揃(そろ)って深いため息をつくと、黒髪の青年…
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  • カーディ少年と暁の天使 第287回 茅田砂胡

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     「その頃は抽象画しか描かなかったはずですよね」 二人とも美術は素人(しろうと)だが、『あの絵』のことなら、以前に関わりがあったので、多少詳しいのだ。 「その頃にあらためて描いた素描でしょうか?」 シェラの疑問に、リィは…
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  • カーディ少年と暁の天使 第286回 茅田砂胡

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     ケリーの言葉の意味は教授にはわからなかったが、金銀天使のような二人は苦笑して肩をすくめた。 「学園祭やボランティアとはわけが違うんだ。児童福祉法だの労働基準法だのに引っかかるとまずい」 「わたしたちは、ここではほとんど…
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  • カーディ少年と暁の天使 第285回 茅田砂胡

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     『暁の天使』の制作年代は推定六五〇年頃だ。 長身の男は、事態の重要性を全然わかっていない、のんびりした口調で言う。 「どうして二十年も開きがあるのかと、ドミニクの愛好家の間でも話題になっていましたよ」 その妻が補足の説…
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  • カーディ少年と暁の天使 第284回 茅田砂胡

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     教授も深く嘆息した。 「わたしなら、間違っても触りたくはない」 「同感です」 妙なところで意気投合する。 ケリーは鞄をいったん机に置いて解錠の操作(そうさ)をし、中身を取り出して、教授に差し出してきた。 キャンバスでは…
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  • カーディ少年と暁の天使 第283回 茅田砂胡

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     ルウはちょっと顔色を変えて問(と)い質(ただ)した。 「え、ちょっと待って。食器として使うってこと? この形状にいったい何を……」 「ボンボン菓子を入れる」 さしもの黒い天使が、あまりのことに耳を疑い、おそるおそる確認…
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  • カーディ少年と暁の天使 第282回 茅田砂胡

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     慰労会当日の午後――。 予定の時間には一時間ほど早かったが、スタイン教授は通い慣れた建物に入り、最上階を目指した。 今日の教授は珍しく、鞄(かばん)を持っていた。 かなり大きいが、薄くて平たい鞄である。図案や大型の書類…
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  • カーディ少年と暁の天使 第281回 茅田砂胡

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     「はい。普段着でも結構です。当日は作業服の方も大勢いらっしゃいます。その方たちが主賓(しゅひん)ですので、釣(つ)り合(あ)いのとれる服装でお願い致します」 「わかりました」 如才(じょさい)なく言って、ウォレスは通話…
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  • カーディ少年と暁の天使 第280回 茅田砂胡

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     相手の名前はケリーだが、ルウはいつもキングと呼んでいる。 「あと一回《門(ゲート)》を跳んだら文明圏(けん)に帰れるぜ」 ご近所どころではない。他星系から個人の携帯端末に繋(つな)ぐという非常識をやってのけているわけだ…
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  • カーディ少年と暁の天使 第279回 茅田砂胡

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     スタイン教授はもともと愛想のいい性格ではない。 これだけいうのが精一杯だったが、テオドールは唐突(とうとつ)に言葉を返してきたのである。 「……もう絵は描かないのか?」 教授は驚いた。 あまりに意外なことを言われたから…
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  • カーディ少年と暁の天使 第278回 茅田砂胡

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     「この歳になって、新たな生きる目標ができるとは思いませんでした。この次はクラム赤牛でつくったテリーヌと、臓物の煮込みをいただきに参ります」 ルウは困ったように笑って言ったのである。 「その二つを同時に食べるのはちょっと…
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  • カーディ少年と暁の天使 第277回 茅田砂胡

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     マヌエル一世は深々と嘆息した。 「おかげで、もう一度、あのお料理をいただくまで、ずいぶん時間が掛かりました……」 「理由はもう一つ、ダルベスさんに対する態度でもおわかりだと思いますが、あの人は致命的に接客ができないんで…
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  • カーディ少年と暁の天使 第276回 茅田砂胡

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     「はい。場所は言えませんけど、もともと限られた地域にしか育たない植物なんです。そこには昔から養豚を仕事にしている家があって、そこの豚さんは鬼林檎を食べることで美味しい肉質になるんです。その豚肉もテオドールさんはとても気…
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  • カーディ少年と暁の天使 第275回 茅田砂胡

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     客の一人が呆然と呟(つぶや)いた。 「こんな林檎が、いったいどこに……?」 この満座の客たちの中で、今までアップルパイを食べたことがないという人はまずいないだろう。 ところが、このパイは間違いなく、人生で初めて食べる味…
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  • カーディ少年と暁の天使 第274回 茅田砂胡

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     最初の一皿は花の形をした可愛らしい菓子だった。 花びらの一枚一枚が薄いメレンゲで仕立てられている。指でつまんで口に入れると、しっとりとした食感ながら、意外なほど脆(もろ)く、ほろりと崩れ落ち、その瞬間、ほんのりと甘い花…
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  • カーディ少年と暁の天使 第273回 茅田砂胡

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     ここの料理は少なくとも味だけは言うことがない。 (料理長の印象は最悪でも!) 料理には濃い色のソースが掛かっており、合鴨と言われなければ、ビーフシチューと勘(かん)違いしたかもしれない。そのくらい特徴的(とくちょうてき…
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  • カーディ少年と暁の天使 第272回 茅田砂胡

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     マヌエル二世は公正な人なので、天然ものの味を噛(か)みしめながら言ったものだ。 「養殖ものを否定するつもりはない。あれはあれで、充分に美味しいものだから。だが、これがオールドクラウンなら……これが本物の味なら、養殖もの…
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  • カーディ少年と暁の天使 第271回 茅田砂胡

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     次の皿はサラダだった。 コートニーの便りを知っている二世は、山菜ではないのかと、ちょっと拍子(ひょうし)抜けしながら口に入れて、驚く羽目になった。 「人参(にんじん)が……甘(あま)い!」 他の葉物も根菜も、甘みと苦み…
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  • カーディ少年と暁の天使 第270回 茅田砂胡

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     一世も嬉しげに微笑している。 「……こんなに美味しいものは食べたことがないと、心から思ったのですよ。――あの時も、今日もです。幸せな時間でした」 「今度は、この料理をクラム赤牛のすじ肉でつくる。今日のとは違う味になるが…
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