読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

やさしい猫

  • 連載を終えて 中島京子…日本で暮らす人 協力する未来

    会員限定
     クマさん、ミユキさん、マヤちゃんの家族と、長い旅を終えたような気分です。 これまで、家族の物語を、多く書いてきましたが、ふと気づくと、最近、ミックスの子どもや、外国にルーツを持つ人が増えたなあと思います。私の祖母は、孫…
    記事へ
  • やさしい猫 第281回

    会員限定
     きみは、二〇二〇年の二月十四日、バレンタインデーの日に、この世界に登場した。 出産日は、クマさんだけが駆け付けた。大喜びで送ってくれた写真は、赤いのか白いのかもわからないぼんやりしたもので、じつはちっともかわいくなかっ…
    記事へ
  • やさしい猫 第280回

    会員限定
     最近、わたしはクマさんを、「父ちゃん」と呼ぶようになった。ほんとは、きみの名前が省略されてて、「アキラの父ちゃん」って意味なんだけど。 ミユキさんの呼称は「お母さん」だったんだけど、いつのまにかそれも「母ちゃん」に変わ…
    記事へ
  • やさしい猫 第279回

    会員限定
     わたしたちは、隣の駅から数分の、ミユキさんとクマさんが再会した商店街に近いエリアの、古い木造一戸建てを借りることになった。小さいけど、一階は水回りとリビングダイニングがあって、二階に部屋が二つある。三畳半のスペースは、…
    記事へ
  • やさしい猫 第278回

    会員限定
     次の月曜日、クマさんは瀬沼モータースにミユキさんを連れて行った。就職のことを、勝手にひとりで決めてしまうなんてことは、もう、できなかったから、クマさんはミユキさんにすべて話していた。 瀬沼さんは笑って言った。 「十年近…
    記事へ
  • やさしい猫 第277回

    会員限定
     在留資格を得ても、クマさんはすぐに元気にはならなかった。一年以上の収容生活は、クマさんの中の何かを、壊してしまったから。収容前のクマさんと収容後のクマさんは、何かが決定的に違った。 それでも妊娠がわかってから、変化があ…
    記事へ
  • やさしい猫 第276回

    会員限定
     ミユキさんとクマさんとわたしは、三人そろって「恵法律事務所」に報告に行った。お振込のことと、在留資格のことと、赤ちゃんができましたっていうことを。 ハムスター先生はすごくびっくりして、それから大喜びしてくれた。 「もっ…
    記事へ
  • やさしい猫 第275回

    会員限定
     それでその、ベテランの甲状腺専門医のおばあちゃん先生がなにをしたかというとね。ミユキさんにいつものようにベッドに横になるように言った。 ただし、ブラウスのボタンを全部開け、ジーンズのジッパーも開くようにって。そうして、…
    記事へ
  • やさしい猫 第274回

    会員限定
     国は控訴をしなかった。八月二十二日に、クマさんの勝訴は確定した! ハムスター先生はさっそく入管に電話して、早く在留資格を出しなさいとプレッシャーをかけてくれたんだっけ。それで一ヶ月後くらいに、ミユキさんとクマさんは品川…
    記事へ
  • やさしい猫 第273回

    会員限定
     この、クマさんの裁判は、新聞記事になったんだよ! これはたいせつに、スクラップしてある。傍聴席にいた人の何人かは、ハムスター先生が声をかけた記者さんたちで、あの後、先生は会見を開いた。 わたしたちも記者会見するか聞かれ…
    記事へ
  • やさしい猫 第272回

    会員限定
     ハムスター先生がもらってきた判決文は、裁判長が読み上げた文章よりずっとずっと長いものだった。その中から先生は、こんな文章を見つけ出してくれた。 「原告とその妻は長期間にわたり、その関係を築いてきた。原告の失職時に気持ち…
    記事へ
  • やさしい猫 第271回

    会員限定
     「判決理由」 裁判長は静かに続けた。 「在留特別許可の判断は法務大臣等の裁量に委ねられているものであり、日本人の配偶者がいるという事情は必ずしも、保護されるべき当然の法的利益として考慮されるものではない」 「しかしなが…
    記事へ
  • やさしい猫 第270回

    会員限定
     法廷に続く廊下で、ハムスター先生に会った。先生も口数は少なくて、二回ほどうなずいて、代理人席に入って行った。 傍聴席のドアを開けた。 ミユキさんとクマさんは、裁判長の正面の席に座り、わたしとおばあちゃんはハムスター先生…
    記事へ
  • やさしい猫 第269回

    会員限定
     ナオキくんによる解説は、どこか心に訴えるものがあったけど、一つだけ気になったこともあった。 「だけど、そしたら、その猫は、やさしい猫じゃないよ。やさしいとかじゃない。まともな猫とか、改心した猫とかだよ」 「そこは、ぼく…
    記事へ
  • やさしい猫 第268回

    会員限定
     「元の話がどうだとか、スリランカではどう話されているとか、そういうことは一切知らないから、勝手な解釈だけどね」 「どっちが多数派なの? ねずみの方が数は多そう」 「いったん、猫とかねずみの属性は頭から外そう。殺すとか食…
    記事へ
  • やさしい猫 第267回

    会員限定
    あらすじ 緊張に包まれながら、証言台に立ったマヤ。声を振り絞って、クマさんのことを「たいせつな、かけがえのない家族です」と証言した。そして、判決日は八月八日に決まった。 ナオキくんとわたしは、高二の夏を迎えていた。夏休み…
    記事へ
  • やさしい猫 第266回

    会員限定
     第五回口頭弁論は五月の半ばだった。 さすがにこの日は学校を休めなくて、ミユキさんとクマさんだけが、傍聴に出かけた。傍聴席で裁判官の真ん前に座って、 「いい判決を出してくださいって、いっしょうけんめい、目で訴えてね」 と…
    記事へ
  • やさしい猫 第265回

    会員限定
     十七 きみの名前 その日、法廷は、次回の口頭弁論の日程調整をして閉廷した。次の法廷は二ヶ月後で、判決が出るのはまたその二ヶ月後か三ヶ月後だという話だった。 「手ごたえはあったと思う。裁判官から補充尋問があるのは、悪いこ…
    記事へ
  • やさしい猫 第264回

    会員限定
     ハムスター先生は話し続けた。 「わたしは労働事件を多く手掛けていますので、こうした事例はほんとうによく見かけます。解雇すれば解雇予告手当を支払わなければならないし、争われる可能性もあるので、それを避けるために『退職届』…
    記事へ
  • やさしい猫 第263回

    会員限定
     「ミユキさんに相談しなかったのはどうしてですか?」 「心配させたくなかった。そして、説明することが困難だと思いました」 「なにを説明するのが困難だと思った?」 「日本人は、入管のこと、在留資格のことを、なにも知らない。…
    記事へ
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 15

アクセスランキング

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)