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幸村を討て

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     読者の皆様へ。 「幸村を討て」は、7月29日をもって閲覧ができなくなります。お早めに閲覧いただきますようお願いいたします。
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     読者の皆様へ。「幸村を討て」は第431回で連載を終了しました。 連載終了後は、一定期間が経過しますと、閲覧ができなくなります。お早めに閲覧いただきますようお願いします。
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  • 幸村を討て 第431回 今村翔吾

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     往来には多くの人々が行き交い、大工たちが発する鎚(つち)の音、威勢のよい掛け声が聞こえてくる。これから江戸の町はさらに発展することだろう。 背後には乱世が。眼前には泰平が。今、己はちょうどその境に立っているのだろう。御…
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  • 幸村を討て 第430回 今村翔吾

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     「はっ……承知致しました」 「より雪深い地に閉じ込めておかねばな」 ふと見上げると、家康は悪戯っぽい笑みをこちらに向けていた。信之の頬もまた緩む。 「信濃の侍は、雪を割って咲く華こそ美しいと知っておりますれば」 「それ…
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  • 幸村を討て 第429回 今村翔吾

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     「さて」 信之は軽く首を捻る。 「そ、そこまで……ならば我らは掌の上で踊らされていたことに……」 正信は強く拳を握り、下唇を噛みしめる。 「佐渡守様、それは心得違いというものです」 「何だと」 「薄氷の上を歩むが如し。…
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  • 幸村を討て 第428回 今村翔吾

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     「なるほどのう」 家康は瞑目(めいもく)して細く息を吐く。目で見えるはずがない。だがその躰(からだ)から熱気が抜けていくのを、信之ははきと見た。 「三(み)度(たび)、負けか」 家康は苦い笑いを見せた。 「大御所様」…
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  • 幸村を討て 第427回 今村翔吾

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     「幸村を討て!」 家康がなおも力押ししようとしたその瞬間、信之は雷鳴の如く咆哮(ほうこう)した。 正信は驚きのあまり仰(の)け反り、家康は信之の気がふれたのではないかというように訝しんでいる。外では、何事か起こったのか…
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  • 幸村を討て 第426回 今村翔吾

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     「なるほど。そういうことか」 家康は親指の爪を噛む。家康の苛立った時の癖で、これは世間にもかなり知れ渡っているが、此度信之が見るのは初めてのことである。 「左様。左衛門佐は入城後にそう名を改めました。故に、その後の拙者…
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  • 幸村を討て 第425回 今村翔吾

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     「滅相もございませぬ。そちらのほうが偽書。何者かが真田を陥れ、幕府との仲を切り裂かんとしているのです」 「佐渡……手蹟(て)は?」 家康は静かに訊いた。 「ど、どちらも同じように見えます」 「花押は?」 「こちらにも入…
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  • 幸村を討て 第424回 今村翔吾

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     「これに拙者から、左衛門佐への文が」 信之は手を滑らし、脇に置かれた箱を指し示した。 「何だと……」 正信は絶句する。家康はというと眉間に大きな皺を浮かべ、唸るが如く信之に尋ねた。 「何故、送った文がお主の手元にある」…
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  • 幸村を討て 第423回 今村翔吾

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     信之もまた天を仰いだ。見つめるは天井ではない。 ――行(ゆ)くか。 天井の向こう。すでに晴天か、未(いま)だに曇天か、それとも雨天になっているかもしれぬ空へ、いや弟へ、心中で呼び掛け、信之は不敵に笑った。 もう十分と思…
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  • 幸村を討て 第422回 今村翔吾

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     となると、問い合わせる先は一つ。左衛門佐の家族を乱取ったと思しき、片倉小十郎の属する伊達家である。 幕府、伊達家の丁々発止の問答が繰り返される中、家康はとある提案をした。 ――かような箱があるはず。それを渡せば話は仕舞…
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  • 幸村を討て 第421回 今村翔吾

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     「その箱は何処にいったのかと考えた」 正信は眠り猫の如く目を細めた。 左衛門佐は、合戦の最後となった天王寺の戦いで出陣し、その後は一度も大坂城内に戻らずに死んだ。真田家に宛てがわれた屋敷に箱は残されており、大坂城と共に…
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  • 幸村を討て 第420回 今村翔吾

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     「そもそも書状の存在を知ったのは、亡き後藤又兵衛の線からよ」 左衛門佐は後藤又兵衛を信用させるため、信之からの書状を見せた。豊臣家で保管されている書状と見比べてもよいとまで言われたので、その場では、そこまでする必要はな…
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  • 幸村を討て 第419回 今村翔吾

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     「この書状は有楽斎が大坂城から逐電した時のものか。これにて早々の和議はなくなった。今後は他の浪人衆の動きをしかと見る必要がある、とな」 信之が黙然として何も語らない中、家康は積まれた書状の、底のほうから一枚抜き取ると、…
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  • 幸村を討て 第418回 今村翔吾

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     「さて……豆州、どうだ」 家康はこれまでで最も厳かに訊いた。 幾千、幾万の言(こと)の葉(は)が宙を漂っており、それら全てが鋭利な刃となり、己に向かって来ている錯覚を受ける。 信之は動かない。ただ確実に、戦いの場で一歩…
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  • 幸村を討て 第417回 今村翔吾

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     「そういうことでしたか。しかし遠慮致します」 「それはすでに知っているということか?」 家康は穿(うが)つような目を信之に向けて訊いた。 信之は、勝永が大坂城に入った真の目的を本当に知らなかった。信之から左衛門佐に訊く…
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  • 幸村を討て 第416回 今村翔吾

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     武田家の衰退と共に信濃に戻って以来、甲斐(かい)の地には足を踏み入れていない左衛門佐が、忘れていても無理はない。だが左衛門佐ははきと覚えていた。こうして甲州の者を炙り出す手として、真っ先に思い出すなど、むしろ余程深く心…
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  • 幸村を討て 第415回 今村翔吾

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     何か良い策はないかと思案する勝永は、左衛門佐に知恵を借りた。かつて真田家と武田家の縁が深いことは周知のこと。真田には武田家旧臣もいる。引き連れている家臣のうちに、件(くだん)の三ツ者を知る者がいるかもしれないと考えたの…
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  • 幸村を討て 第414回 今村翔吾

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     「何故、毛利が左衛門佐を助けようとしたのか……そう訊かぬのか?」 正信は雪の如くに白い眉を片方上げた。 信之は何も答えない。遠くの鳥が鳴く声も聞こえる程の無音の後、正信は唇の動きを再び解き放った。 「二人が繋がったきっ…
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