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幸村を討て

  • 幸村を討て 第62回 今村翔吾

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     敵もここまで来るのに多くの脱落者を出したのだろう。七騎という小勢である。 ――あれが幸村か! 先頭を疾駆(しっく)する、鹿角の兜の将。十文字の槍を小脇に抱えている。こちらは十八騎。何とか防ぎきれると踏んだ。 「防げ!」…
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  • 幸村を討て 第61回 今村翔吾

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     「真田隊は二度(ふたたび)の突撃。何とか退けましたが、三度(みたび)向かって参ります。もう駄目です。お逃げ下さい!」 旗本の一人が戻って来た。古くから己に付き従う古参の老兵である。頬を槍で貫かれたのだろう。深い傷の向こ…
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  • 幸村を討て 第60回 今村翔吾

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     「松平三河守隊は真田隊と交戦していましたが、入れ違う格好で大坂城目掛けて突撃を始めました!」 「あの馬鹿は何を……」 松平三河守忠直は己の次男、結城秀康(ひでやす)の子。つまりは孫に当たる。真田隊を防ぐより、大坂城への…
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  • 幸村を討て 第59回 今村翔吾

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     やがて飯富は武田の内紛に巻き込まれて切腹し、赤備えはその弟である山県昌景(まさかげ)に受け継がれた。山県隊の強さも尋常ではなく、家康も酷く恐れていたものである。 武田家が滅亡した後、家康はその旧臣を集めた。中でも山県赤…
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  • 幸村を討て 第58回 今村翔吾

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     拝跪(はいき)した伝令は鋭く答え、本陣から飛び出していった。毛利隊は猛攻を仕掛けて徐々に本陣に迫ってくる。しかし井伊、藤堂隊も戦いに加わったのを境に、進む速さが目に見えて緩んだ。まだこちらには軍勢の余裕もある。時を追う…
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  • 幸村を討て 第57回 今村翔吾

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     ――畏(かしこ)まった。 家康の命を受け、政宗からすぐにそのように応答があった。これで一抹の不安も残さぬ盤石の構えとなったと確信した。 「始まったか!」 陽が中天に差し掛かった頃、一発の銃声が戦場にこだまし、家康は床几…
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  • 幸村を討て 第56回 今村翔吾

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     「真田は囮(おとり)だな。本命は毛利よ」 家康は敵陣を見てすぐに看破した。秀忠は戦場の最東端に陣取らせてある。味方のもっとも奥深くに控えさせているという状態である。大坂方が秀忠を討ち取ろうと思えば、二筋の川を越えねばな…
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  • 幸村を討て 第55回 今村翔吾

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     己と秀忠、残された寿命を思えば当然のことである。秀忠は戦の才には乏しいものの、政(まつりごと)では力を発揮すると考えている。何としても秀忠だけは守らねばならない。 「まあ、心配は無用だ。一人の首を獲るのも存外難しいのだ…
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  • 幸村を討て 第54回 今村翔吾

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     「浪人衆は皆がその策を推したのか?」 「毛利豊前守、長宗我部土佐守、後藤又兵衛、明石掃部(かもん)らが」 「……真田の名が無いな」 ただ数え忘れただけかと思ったが、ここに来てまた頭を過ぎった。 「浪人衆のうち、真田幸村…
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  • 幸村を討て 第53回 今村翔吾

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     「私が関東の間者だという噂が、城内で急速に広がったのでございます……」 有楽斎は憔悴した顔でそう言った。 有楽斎は淀殿の叔父という立場もあり、これまで一切の嫌疑を持たれていなかった。故に戦いの最中でありながらも、幕府軍…
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  • 幸村を討て 第52回 今村翔吾

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     和議が破られたのは慶長二十年(一六一五)の春のことであった。 豊臣家はこちらが埋め立てた大坂城の堀の復旧に着手し、その頃と時を同じくして浪人衆の一部が近隣の町に乱暴狼藉を働いたのである。 このことを咎めて浪人衆を解き放…
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  • 幸村を討て 第51回 今村翔吾

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     家康は一人黙考した。仮に源四郎が幸村という諱であれば考えられる可能性は二つだけである。一つはいかなる意味があるのかは知らぬが、信繁が死んだ兄の諱に変えたということ。あと一つは大坂城に籠っているのは幼くして消えたはずの、…
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  • 幸村を討て 第50回 今村翔吾

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     信綱の母は河原隆正(かわらたかまさ)の妹で正室、昌輝の母は飯富虎昌(おぶとらまさ)の娘で側室らしい。ちなみに続く昌幸、信尹共に正室の子であるという。信尹は噛み締めるようにゆっくりと続けた。 「二人の兄に憚ったのでしょう…
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  • 幸村を討て 第49回 今村翔吾

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     下手人は武田家の女中であることが判っている。その女は二度の流産をした後、ようやく子どもに恵まれた。しかしその子も幼くして病で亡くしてしまったのだという。憔悴(しょうすい)し切っていたところ、その噂を聞きつけた信玄が、…
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  • 幸村を討て 第48回 今村翔吾

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     「その時に御屋形様が」 「信玄公か」 生涯逢うことがなかった憧憬の将である。その日常を共に生きた信尹を初めて羨ましいと思った。 信玄がひょいと姿を見せたので、皆は平伏するのも忘れて唖然となった。そんな中、信玄はまじまじ…
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  • 幸村を討て 第47回 今村翔吾

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     「ただ随分と面構えが変わっておりました。面影はあるのですが……」 信尹が最後に会ったのは関ケ原の戦い前夜の十六年前。人の容姿を変えるには十分な時であり、叔父から見ても即座に断言出来るほどでなかったという。 「では何故、…
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  • 幸村を討て 第46回 今村翔吾

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     「流石の信繁……いや、幸村でも大御所のご慈悲の心を感じるでしょう」 信尹は興奮気味に言い残して使者に発った。こちらの底意が見抜けていない。そのように真田一族にしては稀有なほど凡愚だから、たかだか四千石しか食めないのだ。…
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  • 幸村を討て 第45回 今村翔吾

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     家康は一人の男を陣に呼び寄せた。名を真田信尹(のぶただ)と謂い、昌幸の弟に当たる男である。信之と同様、真田家の者にしては珍しく己に従い旗本になっている。どうにか幸村の正体を探りたいと考えていた矢先、ふと信尹を帯同させて…
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  • 幸村を討て 第44回 今村翔吾

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     こちらと通じていない南条が内応の罪で切腹させられ、翌日にはその南条が裏切ったと前田軍に偽伝令が走る。しかも城内で爆発を起こして信憑性を高めた節まである。さらにそこで終わることなく、落首でこちらに南条の切腹を知らせる。何…
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  • 幸村を討て 第43回 今村翔吾

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     今回、寝返るとされたのは南条元忠と謂う武将である。元は伯耆(ほうき)の国人の家の出で、秀吉が毛利家と和睦した後に六万石と羽衣石(うえし)城を安堵されて大名に列した。しかし、関ケ原の戦いで西軍についたことで改易処分を受け…
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